株式会社TKC(栃木県宇都宮市)は、5月1日、14日、28日の3回にわたり「新型コロナで中小企業のために立ち上がる会計事務所」と題したウェブ座談会を、TKC全国会ニューメンバーズ・サービス委員会との共催で実施した。毎回3名の税理士が、「関与先の緊急資金繰り支援事例」と「事務所のテレワーク(在宅勤務)の実情」をテーマに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大の影響下における近況や、関与先支援の取り組みについて語っている。本稿では、座談会のダイジェストをお届けする。(司会進行は株式会社TKC SCG営業本部TKC会員導入推進部長の秦 勝行氏)
第1回座談会(5月1日開催)
コロナショック下の中小企業をどう支援するか
税理士法人レッドサポート 代表社員・理事長 税理士 渡辺 忠
望月慎一郎税理士事務所 所長 税理士 望月慎一郎
税理士法人Dream24 代表社員 税理士 久野賢一朗
―― 今回のウェブ座談会は、毎回3名の税理士が緊急資金繰り支援などの事例を公開するシリーズ企画です。多くの中小企業が資金繰りで苦しんでいる今こそ、会計事務所の出番でしょう。外出自粛のなか、他の事務所がどのように関与先を支援しているか、参考にしていただければと思います。
座談会のテーマは、「関与先の緊急資金繰り支援事例」「事務所のテレワーク(在宅勤務)の実情」の2つです。
第1回に出席していただくのは、税理士法人レッドサポート(埼玉県)の渡辺忠先生、望月慎一郎税理士事務所(静岡県)の望月慎一郎先生、税理士法人Dream24(東京都)の久野賢一朗先生です。
関与先の緊急資金繰りを支援する4つのステップ
―― ひとつ目のテーマは「関与先の緊急資金繰り支援事例」です。
新型コロナウイルスの影響で中小企業の資金繰りが大変厳しい状況にあるなか、会計事務所が関与先の資金繰りを支援する体制には4つの段階があります。ひとつ目が「関与先への情報提供」、2つ目が「要支援関与先の確認」、3つ目が「関与先の個別支援」、そして4つ目が「簡易な経営計画の策定」です。
現在は1~3番目の支援が求められています。本日は、「関与先への情報提供」と「要支援関与先の確認」を中心にお話を伺いたいと思います。
それでは久野先生に、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、資金繰り支援体制をどのように構築されてきたのか伺います。