連載は今回が最終回となりました。2年間にわたり駄文へのお付き合いを頂いたことを、心より感謝申し上げます。
 毎回、生産性と働き方がどう変わるかを取り上げてきました。この間、働き方改革という能動的な変化もあれば、直近の新型コロナウイルス対策のように激しく受動的な変化も見られました。未来を予測することはとても難しいですが、未来に向けて足元で確実に起こせる変化もあります。そのヒントとなるアイデアを少しでも提供できたのであれば幸甚です。
 私たちの仕事では、空間の概念が大きく変わりつつあります。携帯電話がなかった時代には、事務所の電話から誰に電話をできるのか、というコネクションに明らかな価値がありました。会話や共通言語のクラスターがあり、その原材料として学閥や派閥、所属する会社名が、ヒエラルキーの構成要素となっていました。
 翻って現在は、転職が当たり前の選択肢となり、SNSの普及により、人は関心や考え方の近さによって関係を築くようになりました。私も監督官庁である金融庁の方々と日常的に仕事の会話をする立場にありますが、プライベートでのSNS上のくだらない投稿に対して、同じ人たちが「いいね!」を押してくれる関係にあります。

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