田中寛之税理士事務所 所長 税理士 田中寛之
会計事務所は慢性的な人材不足や若手不足の問題に悩まされている。その一方で、商業高校の生徒のなかには、簿記を学んで好きになり、将来は会計事務所で働きたいという希望を抱く人もいる。ところが、会計事務所が商業高校に出す求人の数が少ないため、希望がかなわず、やむなく一般企業に就職する生徒が少なくないのが実情である。
そのようななか、田中寛之税理士事務所所長の田中寛之先生は、商業高校の新卒者を8年連続で採用して育成し、若手が活躍する事務所づくりに成功している。田中先生の事務所では、高校新卒の従業員が入所後1年もすると、監査担当者として顧問先を訪問し、役割を立派にこなしているという。十代の若者が監査担当者になるのは驚くべきことだが、商業高校には優秀な生徒が少なからずおり、その資質を上手に伸ばせば実現できることなのだ。
会計事務所がこのような採用・人材育成ノウハウを持ち、商業高校の新卒者を積極的に採用する流れが広がれば、人手不足に悩む会計事務所と、商業高校の生徒の双方にとって理想的な状況が実現し、会計業界も活性化するだろう。
本稿は田中先生にご寄稿いただいたもので、高校新卒者の採用と育成に関する貴重なノウハウがまとめられている。〔写真は田中先生(後列左から2人目)と従業員の皆さん〕
人材採用における「宝の山」ここにあり!
この人材難の時代に、「都市鉱山」のような宝の山があります。それは、商業高校の新卒採用です。
うちの事務所(マナーとしては弊事務所でしょうが、「うちの事務所」という言い方にこだわりがあります)は、地元である大阪府岸和田市の商業高校から、8年間連続で新卒者を採用してきました。
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