エフピーステージ株式会社 代表取締役 五島 聡

実務経営ニュース誌上をお借りして、日本の中小企業が元気になるために、顧問税理士の考え方を変革し、仕事のやり方を変革することを提起してきました。
1回目は「中小企業が抱える財務問題と事業承継問題の相関」に関して、2回目は「節税税理士問題」に関して、問題提起をしました。
今回から、決算書にフォーカスを当て、事例を中心に問題提起をしていきます。

決算書の定義とは

私は、決算書には4つの定義があると考えています。

  1. 社長の通信簿
  2. 経営活動全てが数字で表記される
  3. 3年間社会的な評価を受ける
  4. 社会からの扱いが変わる

誰からの評価が最重要なのでしょうか。それは銀行からの評価です。理由は、中小企業は間接金融で、銀行からの融資で賄われることが基本だからです。銀行からの評価が低いと、まともな資金調達ができなくなります。そうなると資金繰りに窮し、場合によれば資金繰り倒産に追い込まれることもあります。

未来は過去の延長線上にある

企業経営とは、「調達と運用を最適化し、利益を最大化する行為」です。調達から始まるわけですが、銀行は昨年までの20年間、金融庁の金融検査マニュアルに従って定量評価、定性評価、実態評価を行い、債務者区分を行って、融資条件を決めていました。
昨年末に金融検査マニュアルは廃止され、事業性評価に移行して「その経営は企業の未来をよくする経営なのか?」と企業の未来を評価して融資をすることになりました。しかし未来は過去の延長線上にあります。融資判断をするにあたり過去の決算書を見て判断しないかというとそのようなことはありません。
決算書は社長が作るというのは建前で、実際は顧問税理士が作ります。ぜひとも銀行からの評価を意識して決算書を作ってもらいたいと思います。

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