左から、西迫会計事務所の西迫一郎先生、株式会社日本BIGネットワークの岩永經世先生、京都大学経営管理大学院の澤邉紀生先生、税理士法人りんくの小久保 忍先生
経営目標達成のための財務支援コンサルタント、いわゆるMAS監査の専門家育成を目的とした上級経営会計専門家(EMBA)プログラムが今春、4期目を迎える。文部科学省委託事業の取り組みとして始まり、京都大学大学院(京都市左京区)が実施しているもので、全国から多くの大学、複数の会計人団体が参加し、広がりを見せ始めている。管理会計の研究者と実務家がタッグを組んで中小企業の経営をサポートし、日本経済を底上げしようというこの計画だが、最終的には会計業界に上級経営会計専門家を頂点とする経営会計専門家のピラミッド体制を創り上げるという構想で、今年から新たに、「上級」を除いた「経営会計専門家プログラム」をスタートする予定だ。上級経営会計専門家プログラムが目指す社会インフラとしての会計人の役割、および同プログラムの展望について、京都大学経営管理大学院経済学研究科教授の澤邉紀生氏、西迫会計事務所(神奈川県厚木市)所長の西迫一郎氏、税理士法人りんく(神奈川県相模原市、東京都渋谷区)代表の小久保 忍氏、そして、株式会社日本BIGネットワーク代表取締役の岩永經世氏にお話を伺った。(写真撮影 市川法子)
EMBAプログラムの誕生
―― 上級経営会計専門家(以下、EMBA)プログラムもスタートして3年が経ちました。本誌では2年前にも、京都大学大学院の澤邉先生にお話を伺いしましたが、現在、4期生を募集中とのことで、現在の様子も含め、あらためてEMBAの概要とこのプログラムにかける思いについて、澤邉教授、上級経営会計専門家の資格を取得された西迫先生、小久保先生、そして、株式会社日本BIGネットワークの岩永代表にお話を伺っていきたいと思います。
まずは、同プログラムの創始者である澤邉先生に、EMBAプログラム立ち上げの背景・経緯についてお聞きします。