黒永会計事務所 所長・税理士/株式会社マックス・コンサルティング 代表取締役 黒永哲至
創業30年になる黒永会計事務所(東京都新宿区)が独自開発した会計ツール「Kスマート」は、決算書やキャッシュの見える化を実現し、財務分析、資金分析を図解、ビジュアル化するコンサルティングツールである。黒永会計事務所では、7年前から「Kスマート」を使って顧問先の経営コンサルティングを行うと同時に、同業の会計事務所へも提供して高い評価を得てきた。そして昨年、新たに「Kスマート未来計画」を開発、リリースした。「Kスマート未来計画」は顧客ニーズの高い借入支援業務やMAS監査において「事業計画作成ソフト」として重要なツールである。銀行に提出する「事業計画書」や認定経営革新等支援機関による「経営改善計画」作成ツールとしても活用できる。2つのソフトがそろったことで、「過去、現在、未来全ての経営分析が可能になった」という。「Kスマート」「Kスマート未来計画」の機能と効果について、黒永会計事務所所長の黒永哲至氏(写真)にお話を伺った。(写真撮影 市川法子)
社長の「ポイントは何?」から生まれた「Kスマート」
―― 黒永会計事務所は、コンサルティングツール「Kスマート」で知られています。昨年、新たに経営計画作成ソフト「Kスマート未来計画」を開発されたということで、本日は、両ソフトの中身と、その有効性についてお伺いしたいと思います。まず初めに、「Kスマート」の開発の動機と経緯についてお話しください。
黒永 当事務所は、平成元年11月1日に開業しました。そして、30周年を迎えた昨年もやはり元年でした。
30年前、日本ではバブルがはじけて低成長期時代に入り、会計業界ではパソコンの普及、会計ソフトの低額化、そして自計化の浸透が進んでいきました。
自計化が進むと、顧問料を下げてほしいというお客様が増えました。記帳代行でお金を頂いているのですから、それはもっともな話です。会計事務所では、記帳代行から付加価値業務へという流れが起きました。試算表を使ったコンサルティングや経営分析によって、顧問先の経営をサポートすることが求められるようになってきたのです。
私も15年ほど前からさまざまなセミナーに行き、経営計画やMAS監査など、いろいろなソフトを試すなどして試行錯誤を重ねましたが、どれもしっくりきませんでした。顧客ニーズという的を完璧に捉えているとは思えなかったのです。