税理士法人あさひ会計 統括代表社員/株式会社ASAHI Accounting Robot研究所 代表取締役 田牧大祐
システム上の事務作業や、システム間をまたいでひとつのシステムとして稼働させるPC上のロボット、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は、会計事務所業務に変革をもたらす最新テクノロジーのなかでも、定型業務の自動化による業務効率化や人手不足解消の手段として、クラウド、AIに並び注目を集めている。そこで今回は、今年から本格的にRPAの開発・販売事業に乗り出した税理士法人あさひ会計(山形県山形市)を取材した。あさひ会計は、東北地方で1000件を超す顧問先を擁する東北最大級の会計事務所。3代目の事業承継を終え、40周年を迎えた今年、RPA事業の中核として株式会社ASAHI Accounting Robot研究所を立ち上げた。既に、数多くのロボットが中小企業や会計事務所向けに納品されているという。RPA事業への取り組みについて、税理士法人あさひ会計統括代表社員の田牧大祐氏にお話を伺った。(撮影:市川法子)
親族外承継で3代、40年の歴史を誇る税理士法人あさひ会計
―― 税理士法人あさひ会計は、東北でも屈指の会計事務所で、近年は、RPAの開発にも取り組まれています。そして今年、グループ会社「株式会社ASAHI Accounting Robot研究所」を設立され、本格的に事業をスタートしたとお聞きしました。
そこで本日は、その取り組みについて、昨年、3代目の代表に就任された田牧統括代表にお話を伺います。まずは、あさひ会計のこれまでの歩みからお話しいただけますか。
田牧 あさひ会計は今年、創業40周年を迎えました。東北では第一号の公認会計士と聞いております菊池道夫先生が40年前、先代(2代目)の柴田健一現会長に声をかけ、共同で立ち上げたのがスタートです。
―― 田牧先生があさひ会計に入所されたのはいつになりますか。
田牧 11年前です。私自身は兵庫県出身で、山口大学卒です。新卒でゼネコンに就職し、名古屋で3年間、現場監督をしていたのですが、会計の仕事に興味を抱き、公認会計士の勉強を始めました。その後、会計士二次試験に合格し中央青山監査法人に就職しました。そこで監査の実務に就きながら、資格を取得しました。