フェリクス少額短期保険株式会社 代表取締役 弁護士 多田 猛

法的なトラブルが発生し、弁護士に相談や依頼をしたときの費用を補償してくれる弁護士費用保険が注目されている。欧州では約1兆円の市場規模にまで普及しているが、日本では平成12年の自動車保険の弁護士特約が初で、6年前に個人向け弁護士保険が登場している。そして今年、日本で初めて日本弁護士連合会と協定を締結した事業者向けの弁護士費用保険として、フェリクス少額短期保険株式会社(東京都千代田区)が「リガール」の提供を開始した。中小企業や個人事業主が、月額7000円で顧問弁護士や法務部門を持てるサービスとして大きな期待が寄せられている。同社の代表取締役で、イーリス総合法律事務所(東京都千代田区、岡山市北区)の代表弁護士でもある多田 猛氏(写真左)に、そのサービスの詳細を伺った。(写真右は取締役の入江 誠氏。撮影:市川法子)

欧州で普及が進む弁護士費用保険

―― 本日は、フェリクス少額短期保険株式会社の代表取締役で、イーリス総合法律事務所の代表弁護士でもある多田 猛先生にお話を伺います。
中小企業ではさまざまな法的トラブルが発生しますが、顧問弁護士を持つ企業は少なく、経営者がまず相談するのは、最も身近な存在である顧問税理士です。
法的トラブルの相談を受けた税理士は、提携している弁護士を紹介するのが一般的です。しかし、問題の解決までに手間と時間がかかるし、その弁護士がひとりであらゆる問題に対応できるわけではありません。
今回の取材では、こうした顧問弁護士のいない企業とその支援に取り組む会計事務所に対する画期的なソリューションとして貴社が提供している弁護士費用保険「リガール」について、詳しくお聞きしたいと思います。
まずは貴社の沿革からお話しいただけますか。

多田 私は平成14年に大学卒業後、学習塾を経営する会社に勤め、教室経営に携わるなかで中小企業のコンプライアンス・ガバナンスの重要性を学びました。
ロースクールを修了し、法律事務所を独立開業してからは、主に中小企業とベンチャー企業の支援に力を注ぎ、多くの中小企業の法務を手掛けてきました。
冒頭で言われたとおり、中小企業はさまざまなトラブルを抱えていますが、弁護士により対応できている会社は数少ないのが現状です。

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