税理士法人NAVIS 代表社員税理士/株式会社若山経営 代表取締役 若山恵佐雄氏
株式会社若山経営 経営支援部 経営支援課 課長補佐 小形 実氏
青森市内の顧問先を中心に、経営支援業務や税務業務を展開する税理士法人NAVIS。同社は「活力経営の支援」をモットーに掲げて企業の目標達成支援ツール「戦略ナビ」を開発し、中小企業の経営支援を行っている。バランススコアカードを基盤に、経営支援に向けた考え方やプロセスを標準化しようと開発された「戦略ナビ」。「戦略ナビ」では、戦略策定に加え、日々の活動を見える化するクラウドサービス「web軍師」を提供している。MAPシステムと戦略ナビを使い、中小企業の現場も交えた三位一体の改革をどのように行っているのか。同社代表の若山氏と、実際に経営支援業務に従事している小形氏に同社の取り組みについてお話を伺った。
株式会社MAP経営
── MAS監査業務に取り組まれるようになったきっかけをお聞かせください。
若山 私はもともと、お客様の経営のお手伝いがしたくて税理士になりました。最初はMAPシステムを使ってMAS監査業務に取り組み、岩永經世先生(長崎/IGグループ)との出会いからNBMやNN構想の会に参加するうちに、この業務を事業化したいと取り組んできました。当社の特徴は、MAS監査以外にも公的機関で行っている「経営力向上計画」や「経営改善計画」など、再生の取り組み、認定支援機関としての動きも併せて行っていることです。
── どのような体制でMAS監査業務に取り組まれていますか。
若山 当初は従来の制度会計をやっている部門から完全に切り離して、MAS監査の部門だけで独立採算を取ろうと動いていましたが、プラスとマイナスの両面が出てきました。プラスの面は専門性の高い人材ができてきたこと。マイナスの面は、制度会計は制度会計、経営支援は経営支援、と分けて社員が考えるようになってしまったことです。
財務で決算の結果を報告して、「課題がありますよ」と伝えるところまでが財務会計、その「課題を解決する」のが管理会計です。財務会計を担当する社員は課題提案までで終わっていて、そこから先に行かない。情報共有がうまくいかない。お客様の課題解決の提案につながっていかないという問題です。
今はMQ会計など簡単に決算書を分析して、そこから戦略につなげて課題解決するという方向性に変えました。制度会計とMAS監査部門の人間が一緒になって朝の勉強会などを通してサービス構成を変えています。