C-MAS介護事業経営研究会 最高顧問/小濱介護経営事務所 代表 小濱道博
介護業界の活性化に寄与すべく、介護事業者の経営支援に取り組む会計人が集まって結成されたC-MAS介護事業経営研究会は平成22年に創設され、今年で10周年を迎える。会員事務所は各支部において、各種の介護セミナーを実施しているほか、介護に強い税理士、社会保険労務士、コンサルタントなどからなるチームが介護事業者への経営相談に応じるなど、全国各地で活躍している。介護業界は3年に一度のペースで制度改正が行われる。そのため、常に新しい情報の収集が必要となるが、これは新しく介護特化を目指す事務所にとっては都合がいい。既存の介護特化型事務所との間に情報の格差はさほど広がらず、参入しやすい分野だといえるからだ。今後は、介護事業を併設する医療機関も増えると見られており、さらなる拡大が期待されるマーケットでもある。そこで今回は、C-MAS設立の旗振り役を務めた同会最高顧問の小濱道博氏に、今後の介護業界の動向、およびC-MASの取り組みについて伺った。
介護事業特化型会計事務所を目指すには
―― 本日は、10周年を迎えるC-MAS介護事業経営研究会(以下、C-MAS)最高顧問の小濱先生に、介護事業特化型会計事務所の来し方行く末についてお話を伺いたいと思います。まずは、C-MAS会員事務所の10年間の活動を振り返って、どのような感想をお持ちですか。
小濱 C-MAS発足当初に入会された先生方につきましては、各地域におけるセミナー開催など、積極的に活動されてきた方がほとんどです。しかし、それから10年が経ち、今やノウハウも確立して顧問先数もかなり増えて安定してきているため、かつてほどセミナー開催などの活動は活発に行われなくなっているようです。
ただ、その代わりといってはなんですが、新しい若い先生の加入もここ数年目立ってきていて、この新陳代謝の結果、C-MAS全体としては発展に向かっているといえます。
―― 先生はこの10年間、さまざまな事例を見てこられたと思いますが、介護事業特化に成功している会計事務所の特長としては、どういったことが挙げられますか。
小濱 成功している会計事務所の一番の特長は、介護事業担当の専担者をつけていることです。