中村泰道会計事務所 所長 公認会計士・税理士 中村泰道

札幌に開業して6年目の中村泰道会計事務所。現在はスタッフ6名、顧問先約100件の中堅事務所に成長している。北海道に魅せられ、札幌に住むために税理士を目指したという所長の中村泰道氏(写真)。夢を実現させた計画性と実行力は、事務所の成長発展にも大きく生かされている。監査法人で培ったノウハウと経験を武器に、個人事業主のサポートから成長企業の上場支援まで、クライアントの成長段階に合わせて一気通貫のサービスを提供。さらに地域の専門家たちとネットワークを構築し、ワンストップ型のサービス体制をつくり上げた。今回の取材では中村氏に、短期間のうちに事務所を成長させた経営戦略について伺った。

札幌に住みたいという思いで会計士を目指す

―― 本日は、札幌で開業してから6年目という中村泰道先生に、事務所経営戦略について伺います。
 中村先生は東京都のご出身だそうですが、なぜ札幌で開業されたのですか。

中村 札幌で開業したことと、私が会計士・税理士であることには、実は因果関係があります。子供のころ、家族旅行で札幌を訪れました。そのときにこの街が大好きになり、札幌に住んでみたいと思うようになったのです。そして将来、大学に行くなら北大だと……。その後、大学進学を考える年になり、学部を決めるために、当時、司法書士試験の勉強をしていた兄に相談しました。それが結局、会計士を目指すきっかけとなりました。
 手に職があればどこでも食べていける。資格を持っていれば好きな所に住める。そう思ったのです。そこで、自分にはどんな資格が向いているだろうと考えました。数字のこまかい計算などが好きだったものですから、それなら税理士・会計士だろうと。そのような経緯になります。

―― 開業するなら札幌と最初から決めていたのですね。

中村 はい。札幌に住むために会計士になったといっても過言ではありません。子供のころから「自分は将来、札幌に住む」と、親にも言い続けていましたから。ここは住みやすく、食べ物もおいしい。魚介類はもちろん、水も野菜もおいしい。私にとってこんなによい街はほかにありません。

―― 税理士だけでなく、会計士の資格をお取りになったのはなぜでしょうか。

中村 当初から私は、大企業よりも中小零細企業の経営を支援したいと思っていました。中小零細の社長さんたちと一緒にその会社を盛り上げ、地域の活性化に貢献したいと思ったのです。ですから、本来なら税理士を目指すべきなのですが、あえて公認会計士を選んだのは、支援する会社の規模に上限を設けたくなかったからです。
 中小零細企業のなかにも、上場を目指している社長さんはいらっしゃいます。そのような会社のお手伝いもしたいと思ったのです。個人商店が上場して全国へ、さらには世界へと事業展開していく。そのような企業の成長にずっと関わっていけたら楽しいだろうと思いました。
 そのような思いでまずは公認会計士の資格を取ろうと考えたのです。そして、会計士の実務も経験しなければならないと思い、監査法人に入りました。

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