JPA総研グループ 代表 税理士 神野宗介
昨年4月に発表された「パナマ文書」により、大企業や富裕層のタックスヘイブン(租税回避地)を利用した節税に、現行の一国一法主義の税制では対応できないことが明らかになり、世界的な問題となっている。そのようななか、租税正義の学術的研究を行う「租税正義研究学会」が平成28年10月に設立された。尚美学園大学名誉教授の大橋豊彦氏をはじめ5名が発起人に名を連ね、4月から本格的な研究活動を開始する。設立準備事務局を担当するJPA総研グループ代表の神野宗介氏(写真)に、発起人を代表して設立の経緯と目的、具体的な活動内容などについて伺った。

租税正義の学術的研究組織

―― 本日は、株式会社日本パートナー会計事務所をはじめ6社からなる、JPA総研グループ代表の神野宗介先生にお話を伺います。
 神野先生は、平成28年10月に設立された「租税正義研究学会」の設立準備事務局を担当されています。今回の取材では、同研究学会設立の目的と意義、今後の活動などについてお聞きしたいと思います。
 まず、租税正義研究学会とはどのような組織なのか教えていただけますか。

神野 租税正義研究学会は、その名のとおり、租税正義の学術的研究を目指して設立したものです。
 発起人に名を連ねているのは、尚美学園大学名誉教授の大橋豊彦先生、青山学院大学大学院教授の佐藤正勝先生、尚美学園大学大学院教授の髙田順三先生、イギリス国学協会理事長の 松田義幸先生です。
 昨年10月21日に、第1回の有志の集いを催し、国際課税をめぐる近年の動向などについて、発起人の先生方に講演していただきました。
 現在の会員数は100名ほどで、全国各地の税理士だけでなく、弁護士など他士業の方もいらっしゃいます。
 1~3月に第2回の有志の集いや講演会などを実施し、4月から本格的な研究活動をスタートさせる予定です。

21世紀の経済環境に適した税制

―― 続いて、租税正義研究学会を設立された経緯を教えていただけますか。

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