司法書士法人おおさか法務事務所代表社員の川原田慶太氏(右)と北村清孝氏(左)
司法書士法人おおさか法務事務所は、大阪・兵庫・東京を中心に5拠点を展開する大型司法書士事務所である。同社の特徴は、いちはやく不動産登記業務から企業法務や相続関連業務に軸足を移し、法人化から十数年で急成長を遂げていることである。「相手よし」「自分よし」「世間よし」の三方よしに「昔よし」「将来よし」を加えた「五方よし」というユニークな理念を掲げ、スタッフ全員に浸透させることで、当初業界では利益につながりにくいといわれた企業法務や成年後見を事業の柱のひとつに育て上げた。代表社員の川原田慶太氏、副代表の西本拓司氏、後見信託センター長の坂西 涼氏に、その取り組みの詳細について伺った。(写真撮影:市川法子)
法人化十数年で5拠点を展開
―― 本日は、司法書士法人おおさか法務事務所の代表を務める川原田慶太先生、副代表の西本拓司先生、後見信託センター長の坂西 涼先生にお話を伺います。
司法書士の主な仕事は不動産登記というイメージがありますが、貴社は企業法務や信託、成年後見、事業承継など、付加価値の高いサービスを提供し、短期間で大きく成長しています。
まず、おおさか法務事務所の沿革からお聞きします。
川原田 私は外交官になることを考えていたのですが、大学4回生のとき、体調の関係で採用のタイミングが合わず、まずは自分で食べていける資格を取るしかないと考えました。
弁護士や公認会計士も検討しましたが、当社のもうひとりの代表社員で、高校時代からの友人だった北村に誘われて、一緒に司法書士を目指すことにしました。
司法書士の資格を取得後、平成13年に小嶋和彦司法書士事務所に入り、師匠に出会いました。こちらは現在の八尾オフィスです。
その後、私自身にご縁があった大阪市内の銀行との取引の話が持ち上がったのですが、師匠は25歳の私に、スタッフ2人と当座の資金まで付けて独立させてくれました。これが大阪市の難波で開設した、かわらだ司法書士事務所です。
平成17年に、師匠の事務所を承継する形で八尾と難波を統合し、司法書士法人おおさか法務事務所を設立しました。
―― ご自身の独立開業から十数年で大きく規模を広げていますが、現在の拠点とスタッフの数はどれくらいですか。