株式会社インターフェイス 代表取締役 樋口明廣氏
イプシロン株式会社 代表取締役 角田達也氏
株式会社田畑製作所 代表取締役 田畑 郁氏

本連載ではこれまで、未来会計・経営計画に携わる方々から、数々の貴重なお話を伺ってまいりました。全20回の連載のなかからMAS監査事業化推進のヒントとなるお話を厳選してお届けします。

会計事務所の組織展開と広がる可能性

株式会社インターフェイス 代表取締役 樋口明廣氏
イプシロン株式会社 代表取締役 角田達也氏

MAS監査事業成功の条件

浅野 MAS監査事業がうまくいっている事務所は何が成功要因だと思いますか。

角田 私たちが、製販分離を支援している事務所でうまくいっている事務所は、「組織の形」がしっかりしています。過去を担当する人、将来を担当する人、専門特化分野を担当する人ときちんと機能分けをして、組織の中で役割分担がされています。思い切って分社化している事務所は割とうまくいっていると思います。過去会計と未来会計は分けたほうがいいと思いますし、同時に取り扱うことは時間的に不可能だろうと私は思っています。
過去会計、制度会計は、正しい税金計算をするという目的のためにある「税務品質重視」の商品です。先送りせずその場で税務上の問題を解決して、12回やれば決算が組めるという仕事の性質です。それに比べて未来会計は将来の話であり、正確性よりも「スピードが優先」されます。経営は、早く手を打たないとどんどん手遅れになっていきます。それらをひとりの人間が1カ月のなかで同時に行うのは、商品の性質上、不可能だと思います。だからこそ、いっそのこと機能分けをしたほうがMAS監査業務はうまくいくと考え、製販分離という経営改善手法を提供しています。

浅野 当社も「将軍の日」などで、「経営のための経理」と「申告のための経理」は違うという話をしています。樋口社長は今の点も含めて、MAS監査事業の成功要因をどのようにお考えですか。

樋口 3つあると思います。やはり「トップがやりたいことかどうか」です。トップがMAS監査事業をやりたくないのにやっても、成功はしないでしょう。
ある事務所の所長先生から「監査担当者全員でMAS監査の勉強をさせてほしい」と頼まれたことがあります。指導した結果、20人のうち4人が背水の陣で取り組み、今では売上2億円のMAS監査の事業化に成功しています。
ですから、トップやアントレプレナーの「必ずやり遂げる」という意志が大切だと思います。それから、ノウハウをお伝えしていて自然に受注が取れていく事務所は、われわれがお渡ししたロジックと営業手法を、そのとおりに素直に動いてくださいます。これが2つ目です。

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