一般社団法人日本経営心理士協会 代表理事 公認会計士 藤田耕司

「これからのAI時代、心を扱える者が生き残る」。そう断言するのは、民間資格「経営心理士」の創設者である一般社団法人日本経営心理士協会(東京都中央区)代表理事の藤田耕司氏だ。藤田氏は公認会計士の資格を持ちながら、心理学にも精通している。平成23年に独立して以降、経営コンサルタントとして人事から営業まで幅広い分野で、延べ1000件超の経営相談を受けてきた。人間心理と数字の両面から経営改善を行うその手法は、中小企業経営者のみならず、税理士、司法書士、行政書士等の士業からも高く支持され、現在、講演回数は年間200回を超える。今回の取材では、ビジネスを成功に導く経営心理学の神髄、および経営心理士認定のための「経営心理士講座」について、藤田氏にお話を伺った。(写真撮影:市川法子)

社長交流会の立ち上げから「経営心理士講座」創設へ

―― 本日は、公認会計士でありながら、一般社団法人日本経営心理士協会を立ち上げて「経営心理士講座」を創設し、心理学の側面からの企業経営支援に取り組んでいる藤田耕司先生にお話を伺います。まずは、経営心理という世界に踏み込まれた経緯をお聞かせください。

藤田 高校まではずっと野球ばかりやっていまして、会計士の存在すら知りませんでした。大学で商学部に入ったその流れで会計士を目指し始め、監査法人トーマツに入りました。私には、会計士になったら真っ先にやると決めていたことがありました。それは、社長を集めた交流会です。
そこで、資格を取った直後から、社長が集まる交流会に数多く参加し、人脈づくりを始めました。とにかく「いい顔」をした人に声を掛け、自分が立ち上げる交流会にお誘いしていったのです。そして、ある程度人数がそろったところで、社長交流会を立ち上げました。以後、今日まで15年間、その交流会は続けています。
この社長交流会のおかげで、一緒に飲みに行くような経営者の知り合いがたくさんできたわけですが、そこで相談を受けるのは、やはり経営に関する話です。しかし、私には経営の経験がありませんから、高3から独学で勉強していた心理学の話を、経営に絡めてお話ししていたのです。それが好評だったため、本格的に経営心理の勉強に取り組み始めました。

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