税理士法人アクセス代表税理士の藤原由親氏(左)と一般社団法人相続ファシリテーター協会代表理事の高松伸吾氏(右)
相続に関する知識習得のための研修・教育、相続に関わるコンサルティングサービスを提供する相続ファシリテーター協会(東京都渋谷区)は、「相続」が「争族」にならないよう、相続人に適切な相続対策をアドバイスできる人材の育成に取り組むことを目的に創設された。相続・空き家問題をテーマにしたセミナーを定期的に開催し、個別相談で解決策を提示する仕組み「相続ワンストップトータルソリューション」を構築している。 必要に応じ、税理士をはじめとする各士業や、保険・不動産などの関連業者と連携を取り、問題解決にあたっている。そこで今回は、相続ファシリテーター協会代表理事の高松伸吾氏と、同協会の会員で関西支部長でもある税理士法人アクセス代表税理士の藤原由親氏に、士業、民間企業、行政の連携による相続事業承継サポートビジネスへの取り組みについて伺った。
全国に相続問題相談窓口のプラットフォームを構築
―― 相続ファシリテーター協会は、相続に関する研修・教育、コンサルティングを行っている一般社団法人です。本日は、その取り組みについて、協会の高松代表と、協会会員である税理士法人アクセスの藤原代表にお聞きしたいと思います。まずは、相続ファシリテーター協会の沿革からご説明ください。
高松 私は現在、ファイナンシャルプランナー(FP)やハウスメーカー、あるいは住宅購入を検討されている方々を対象としたコンサルティング会社(株式会社Nexus)を運営しています。
住宅の購入にはどうしても「相続」という問題がついて回りますが、このコンサルティングの仕事を通して、相続に関する相談窓口が世間に意外と少ないことに気づきました。FPやハウスメーカーはその道のプロではあっても、相続問題を解決するスキルは持ち合わせていないのです。それなら私たちが相続の窓口をつくろうと考えました。それもひとつではなく全国に相続窓口をつくり、そのためのプラットフォームを構築していこうと考えたのです。それが相続ファシリテーター協会設立のきっかけです。
―― どのような理念を掲げていらっしゃるのでしょうか。
高松 「相続の調整と促進」が、当協会の事業目的です。そのために、相続をサポートできる人材を育成していくことが具体的な事業活動です。被相続人の思いを正しく相続人に伝え、少しでも世の中から相続による紛争を減らしたいというのが私たちの思いであり、理念になります。