株式会社FBマネジメント 代表取締役社長 山田一歩
オーナー支援部 マネージャー 王 鷹
株式会社FBマネジメント(東京都中央区)は、ファミリービジネスの支援を専門とした企業である。「ファミリービジネス」とは、同社の代表取締役社長である山田一歩氏(写真右)によれば、創業者およびその親族によって経営され、かつ経営権を握るだけの株式を創業者一族が保有している企業のことで、日本企業の実に9割以上が、このファミリービジネスに該当するという。そのなかでも同社が支援の対象とするのは、30年以上続く老舗企業である。特に得意とするのが、これまで長年BtoBで事業を展開してきた老舗企業のBtoCに売り方を転換するマーケティングサポートである。そして平成26年に創業した同社は、この1年ほどで会計事務所とのアライアンスを強め、今後もその姿勢を強化していくという。その狙いはどこにあるのだろうか。山田氏とオーナー支援部の王 鷹氏(同左)にお話を伺った。(写真撮影:石川 純)
ファミリービジネスの支援
―― まずは山田代表に、これまでの足跡を伺います。
山田 私は大学を卒業して、証券会社に就職しました。この証券会社では主にリテール業務を担当していました。その後は20代でコンサルティング会社へ転職しました。このコンサルティング会社が前職となるのですが、大手企業向けの株主対応や資本政策、M&A関連の仕事をしておりました。
前職の業務、特にM&A関連の仕事はとても楽しいものでした。私の祖父は事業を展開していました。しかし、とにかくコンサルティング会社の仕事が楽しかったので、将来徳島に戻って祖父の仕事を継いだり、自分で起業したりすることなどは全く考えていませんでした。
ところが、私が29歳のころ、実家の会社が倒産してしまいました。祖父が起こした事業はスーパーマーケットだったのですが、ちょうどそのころは大手のGMSが四国に数多く出店していた時期でした。地域の中堅スーパーは大きなダメージを受け、多くのスーパーが倒産したのです。
この話を聞いたときに、もう少し早く経営力の強化をしておけば救われたのではないかと感じました。四国の税理士の平均年齢は高く、60歳でも若手と呼ばれているほどです。そういった事情もあり、四国で手に入る情報はやはり少ないと思いました。