アルファ財産コンサルティング株式会社 代表取締役 税理士 田中 一
事業承継サポート、M&Aのアドバイス、後継社長向けの対話型経営コンサルティングを中心に、中堅・中小企業の経営支援事業を展開しているアルファ財産コンサルティング株式会社(東京都千代田区)。創業者である田中 一氏(写真)は、国税を4年で退官して会計業界へとフィールドを移し、以来二十数年、事業承継およびM&Aビジネスの分野をひたすら歩んできたという筋金入りの事業承継専門家である。現在に至るまで、300社を超える事業承継案件に携わってきた。それらの経験から得た知見、ノウハウを基に会計事務所の新ビジネスモデル構築を目指すとともに、127万社あるといわれる後継者不在企業を一社でも多く廃業から救うため、税理士、会計士に情報共有を呼びかけている。会計人による事業承継サポートチームの結成を目指すという同社代表取締役の田中氏に、事業承継サポートビジネスを成功に導くポイントなどについてお話を伺った。
国税を4年で退官、紆余曲折を経て事業承継の専門家に
―― 本日は、中堅・中小企業の事業承継問題を中心に経営サポートを行っているアルファ財産コンサルティング株式会社の田中代表に、事業承継コンサルティングへの取り組みについてお伺いします。
まず、会社設立の経緯からお聞きしますが、田中先生は国税ご出身だそうですね。
田中 はい。国税には4年間勤めていました。大学在学中から税理士試験の勉強をスタートし、国税に入って4年目に合格しました。それとほぼ時期を同じくして退官し、税理士法人に転職しました。
―― 4年で退官される方も珍しいと思いますが、なぜ、転職を急がれたのですか。
田中 国の税収を支えるという国税の役割は、とても重要で意義ある仕事だと思っています。ただ、4年間国税の仕事をやってみて、税の徴収側よりも納税者側のフィールドのほうが、自分の性格に合っていると思ったのです。税理士の資格が取れるまで長く勤めるという選択肢も考えはしましたが、それを待つより、早くフィールドを移して、税金を納める側の人たちのお手伝いをしたいと思い、早めに決断しました。
―― 退官後は、どちらの事務所に入られたのですか。