税理士法人中央総合会計事務所(長崎県長崎市)は、創業56年を迎える老舗会計事務所である。代表社員の中込重秋氏(写真)は平成11年に事務所を承継し、他に先駆けたIT化やペーパーレス化、業界初の業務の標準化を推進して最先端の業務システムとオフィス環境を構築。現在は複数の企業・組織から構成されるHACグループに成長している。中込氏と資産管理担当社員税理士の田丸裕子氏、グループの情報サービス部門を担う株式会社HAC代表取締役の近藤智枝美氏、株式会社青山財産ネットワークスの島田英敏氏に、事業承継支援をはじめとするグループの先進的な取り組みや今後の事業展開について伺った。
最先端の仕組みで会計と経営をサポート
―― まず、税理士法人中央総合会計事務所の沿革を伺います。
中込 創業者の平石 久は、昭和38年2月20日に税理士登録し、平石久税理士事務所を開設しました。今年で56期目になります。
私は昭和47年にその義父の事務所に入所しましたから、46年になります。その前は東京の税理士事務所に勤務し、税理士資格を取得・登録していました。
入所後の事務所の歴史を振り返ると、大きく4期に分けられます。
昭和49~60年は元帳会計から伝票会計への切り替えと、お客様拡大の時代といえます。そして、100件単位で増えていた関与先を、もう数を追う時代ではないとブレーキをかけたのが昭和60年です。
昭和61年~平成6年はシステム(LAN)導入と、事務所の体質改善の時代といえます。時代の変化に合わせ、職員1人に1台のパソコン配備を達成し、書類の電子化(ペーパーレス化)にも着手しました。
この時期は、他の事務所が手を出さない洋上石油備蓄や長崎旅博覧会など、地域の大型プロジェクトにも数多く携わり、財政再建の仕事も手掛けました。この取り組みは現在も続けていて、近年は地域通貨制度(しまとく通貨)に参画しています。
平成7~20年は財務体質改善(書面添付)と、お客様の質的改善の時代です。
私が平石から事務所を承継したのが平成11年で、同年に株式会社HACを事業承継しています。