株式会社MS-Japan代表取締役社長の有本隆浩氏と、取締役の中園隼人氏

一昨年12月、マザーズに上場した株式会社MS-Japan(東京都千代田区)が、ちょうど1年後の昨年12月に東証1部上場を果たした。MS-Japanといえば、昨年3月に、企業の管理部門と弁護士や公認会計士、税理士などの士業資格者のためのコミュニケーションプラットフォーム「Manegy(マネジー)」 を本格稼働させたことでも業界の耳目を集めた人材紹介会社である。その「Manegy」はスタートから1年を経過し、さらなるマーケット創出に向け、新たな局面を迎えつつある。それも東証1部上場が背景にあるという。東証1部上場を機に、海外展開も視野に本格的な拡大路線に舵を切った株式会社MS-Japan。その拡大戦略と、人材派遣会社から見た、会計業界における人的ニーズの動向・傾向について、同社代表取締役社長の有本隆浩氏と、取締役の中園隼人氏にお話を伺った。

東証1部上場で拡大路線に舵を切ったMS-Japan

―― 貴社は昨年に引き続いてのご登場となります。ちょうど1年前の前回は、マザーズ上場直後でしたが、その年の12月には東証1部に上場されました。まずはそのあたりの経緯と、1部上場の狙い、上場後の変化についてお伺いしたいと思います。
有本 東証1部上場を考え始めたのは3年前です。当時、当社は既に収益面でも人材面でも安定した企業に成長していました。ひとつの段階としては完成していたといえます。私も一仕事やり遂げた感があり、一時は引退も頭をよぎりました。しかし、私の性格がそれを許してくれませんでした。行けるところまで行ってみようというチャレンジ精神が頭をもたげたのです。そして年越しに、頂を極めることを心に誓い、新年を迎えてから社員に宣言しました。

―― 上場すると宣言されたのですね。

有本 そうです。しかし、上場は頂上を極めるための手段です。拡大路線に向けてチャレンジするなら上場が近道だと考え、手段として選んだにすぎません。
そこで、証券会社にマザーズではなく、1部上場の相談をしたところ、ストレートに1部に行く方法とマザーズを通過する方法の2案を提示されました。

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