一般社団法人未来会計マスター協会 代表理事 宮﨑栄一
会計の知識がなければ理解しにくい財務諸表を、経営に役立つ資料に作り替える「未来デザイン決算書」は、決算書に関心を示さない中小企業経営者をなんとか経営に目覚めさせようと、長年この問題に向き合ってきた宮﨑会計事務所(岡山市中区)代表の宮﨑栄一氏(写真)が開発した会計ツールである。同時に、これを使って中小企業の経営支援を行う「未来会計マスター」の資格も創設し、全国各地でその養成講座を開催している。2015年には、「一般社団法人未来会計マスター協会」を設立し、中小企業経営者の参謀となる人材をひとりでも多く増やそうと、「未来デザイン決算書」のさらなる研究開発と普及に腐心してきた。本誌では昨年、同氏のその熱い思いを取材した。あれから1年、「未来会計マスター協会」の活動を追った。
決算書を経営の羅針盤に変える「未来デザイン決算書」
―― 未来会計マスター協会が設立されて2年が経とうとしています。本日は、未来デザイン決算書の普及状況など、その後の進展について伺いたいと思います。まずは、あらためて、未来会計マスター協会が目指しているところからご紹介いただけますか。
宮崎 未来会計とは、一言で言えば決算書を未来志向で活用することです。これを実現するために、決算書を分かりやすく説明するためのツール「未来デザイン決算書」を開発しました。この未来デザイン決算書をさらに研究開発して普及させ、少しでも多くの経営者に役立てていただくことを目的として設立したのが未来会計マスター協会です。
具体的活動としては、未来会計マスター講座の開催、および受講者の未来会計マスター認定を行っています。
―― 未来デザイン決算書の中身について簡単にご説明ください。
宮崎 決算書には間違いなく経営上のヒントが隠されています。そこから得られる情報を基に、経営上の対策を考えることができるのです。
未来デザイン決算書は、過去の数字を未来志向で読み解くために、損益計算書を「未来デザインPL」に、キャッシュフロー計算書を「未来デザインCF」に、貸借対照表を「未来デザインBS」に作り替えることで、財務体質や儲けの構図を浮き彫りにし、経営計画を立てていく仕組みになっています。
このツールを上手に活用して中小企業の経営者を未来志向へと導いていく、未来デザイン決算書のナビゲーターが未来会計マスターです。