税理士法人九段会計事務所 代表税理士 髙木功治
経営支援チーム IT支援リーダー 猪俣優佳
経営支援チーム 生産性向上リーダー 田中祐基
税理士法人九段会計事務所(東京都千代田区)は、2003年に設立された会計事務所である。代表の髙木功治氏(写真左から2人目)は、個人事務所ではなく、いきなり税理士法人の形態で独立した。前例の少ないこの選択は会計業界では異色ともいえるが、髙木氏は従来の慣習にとらわれず、変化を恐れない運営を行っていることで知られている。そのひとつがクラウド会計の積極的な推進だ。同事務所は、クラウド会計ソフト「freee」の認定パートナーとして、年間100件というペースで同ソフトの顧問先への導入を進めている。事務所内のみならず、顧問先へも積極的にクラウド会計を導入する意図はどこにあるのだろうか。今回の取材では、freee株式会社の佐々木大輔社長(同右から2人目)を交え、税理士法人九段会計事務所の代表である髙木氏、経営支援チームの猪俣優佳氏(同左)、田中祐基氏(同右)に、クラウド会計ソフトを活用した成長戦略についてお話を伺った。
会計事務所の運営にクレドがもたらすメリット
―― 税理士法人九段会計事務所は、事務所内のみならず、顧問先へもクラウド会計ソフトfreeeの導入を積極的に推進していることで広く知られています。
本日はfreee株式会社の佐々木社長とともに、九段会計事務所の代表社員である髙木先生、現場でfreeeを活用する猪俣さんと田中さんに同事務所でクラウド会計を推進する理由についてお話を伺いたいと思います。まずは、九段会計事務所の沿革をご紹介ください。
髙木 私は法政大学の出身なのですが、2003年にゼミの後輩とともに事務所を開設しました。それが税理士法人九段会計事務所で、いきなり税理士法人からスタートした次第です。
―― 税理士法人の形態を選んだのには理由があるのでしょうか。
髙木 特に深い考えはなかったのですが、初めから税理士法人を設立しても問題ないとのことでしたので、後輩と「じゃあ税理士法人でやってみるか」と決めました。麹町支部では初めてのケースだったようです。
場所を九段に選んだのは、私が埼玉県、後輩が川崎市だったので、その中間辺りで探したからです。