株式会社企画塾 塾長
総合企画研究所 代表取締役 高橋憲行
会計人にマーケティングによる増販増客ノウハウを提供し、会計事務所や顧問先である中小企業のマーケティング展開で大きな成果を上げているコンサルティング会社、株式会社企画塾・総合企画研究所(東京都渋谷区)。塾長の高橋憲行氏(写真)は、多くの大手企業のV字回復に貢献してきた「企画の達人」としても有名である。長年かけて蓄積してきたその成功事例は3000件超。そのマーケティングノウハウで中小企業を支援すべく、会計事務所に積極的に働きかけている。顧問先の獲得や、顧問料低減に頭を痛めている会計事務所にとって、顧客の増販増客を支援するこの手法は強力な武器となる。その増販増客ノウハウとはいかなるものか。企画塾の提唱するマーケティング手法や、いま会計事務所業界について感じていることなどについて、高橋氏にお話を伺った。
企画塾の成り立ち
―― 企画塾は、平成11年の設立以来、増販増客の勉強会などを通し、会計事務所や中小企業に対して、マーケティング戦略を提唱してきました。本日は、企画塾のこれまでの活動と、高橋先生から見た会計業界の現状についてお話を伺いたいと思います。まずは、企画塾設立の経緯と概要についてご説明ください。
高橋 独自に開発したビジネス向けの企画と企画書の体系を商品に、私が独立したのが昭和49年です。その当時は、大企業を中心に事業を展開し、松下電工、大阪ガス、アサヒビール、ミノルタといった多くの企業と懇意にさせていただきました。
ミノルタの伝説的ヒット商品である「α7000」の開発にも携わりましたし、アサヒビールの「スーパードライ」によるV字回復にも初期段階から関わっています。そのようにして、大手企業のマーケティングに携わり、さまざまなアクティブな経験を積ませていただきました。
しかし、昭和60年のプラザ合意後、円高が進み、大企業は次々と海外へ出ていくようになりました。そこで今度は、それまで培ったノウハウを、中小企業や商店向けに提供していく方向にかじを切ったのです。
そこで、私の前に圧倒的存在感で現れたのが会計事務所でした。中小企業の経営者にとって唯一無二ともいえるアドバイザーとして君臨していたのが会計事務所です。ところが、それが私にとって、とても不可解な存在でもあったのです。