マスエージェントグループ 代表 石井辰美
税理士法人マスエージェント 代表税理士 伊勢文郎

税理士法人を中心に、コンサルティング会社、行政書士事務所、M&Aセンター等、7つの組織からなる総合コンサルティングファーム、マスエージェントグループ(徳島県徳島市)。徳島と大阪に拠点を置き、中小企業の多様なニーズに対応すべく、幅広く事業を展開している。13年前、創業者の急逝という難局を迎えるも、全社一丸となって新体制をスタート。その年の収益は過去最高を記録した。その強い結束力が全国でも有数の会計グループへと成長させたといえる。そして今、マスエージェントは第2ステージを迎え、次世代へつなぐ新たな体制づくりに取り組み始めた。マスエージェントの成長の軌跡と経営哲学、そして新たな時代に向けた事業戦略について、グループ代表の石井辰美氏(写真右)、税理士法人マスエージェント代表税理士の伊勢文郎氏(同左)にお話を伺った。

先代の急逝から全社一丸となっての再スタート

―― 本日は、先代である秋田文行先生の急逝後、新体制の先頭に立たれたマスエージェントグループの石井代表と、税理士法人の代表税理士である伊勢先生に、当時を振り返りつつ、現在、そしてこれからのマスエージェントについて伺っていきたいと思います。まずは、13年前にさかのぼってお話しいただけますか。

石井 平成16年に、前代表の秋田、伊勢、山本の3人で税理士法人を設立したのですが、その年の12月に秋田が亡くなりました。亡くなってすぐに年が明け、当社は12月決算ですから、新年度が始まりました。税理士法人を設立していなかったら大変なことになっていたと思いますが、当時、弱冠31歳だった伊勢も相当苦労したと思います。

―― 31歳で事務所を背負われた、その時の心境をお聞かせいただけますか。

伊勢 やらざるを得なかった、ただそれだけです。規模はそれなりにありましたから、借入金もそれなりにありました。とにかく一度にいろいろなものを背負うことになり、話し合っていきながらも、片っ端から即断即決で対応していかなければなりません。熟考している余裕はありませんでした。
葬儀後すぐに給与の支給日が来て、銀行から融資を断られ、他行に頼んでなんとか賞与を払うといった状況でした。ですから、あまり覚えていないのです。ただ、秋田先生だったら何というか、どう判断するだろうかと、常に自問自答していたことは覚えています。

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