FPL証券株式会社 取締役会長 中川 浩
代表取締役社長 工藤好洋
FPL証券株式会社(北海道札幌市)は、保険代理店を母体として設立され、平成28年12月から営業を開始した新しい証券会社である。同社は証券会社としては異色のビジネスモデルを掲げていることで注目を集めている。通常、証券会社の主な収益となるのは、株式をはじめとする商品の売買手数料だ。しかしFPL証券は、長期で運用する預金の代替となるような商品を扱い、ストック型のビジネスモデルの確立を目指している。そんな同社は、会計事務所を「顧客に一番近い金融機関」と捉えているのだという。本稿では、FPL証券の取締役会長である中川浩氏(写真左)と、代表取締役社長である工藤好洋氏(同右)に、設立の経緯や会計事務所とのアライアンスについてお話を伺った。
証券会社の設立までの経緯
―― 今回「実務経営ニュース」で初めて取材をするFPL証券株式会社は、保険代理店が証券業の登録をして設立された証券会社です。営業を開始したのは平成28年の12月とまだ歴史が浅いものの、珍しい出自も影響し、その活動には大きな注目が集まっています。
また、保険代理店時代から会計事務所とのネットワークがある同社は、今後も会計事務所とのアライアンスを強化していきたいと考えているそうです。
本日は、FPL証券株式会社の取締役会長である中川浩さんと、代表取締役社長を務める工藤好洋さんのお二人にお話を伺います。まずは、貴社の足跡をご紹介いただけますか。
中川 私は大学を卒業したあと、NECに入社したのですが、32歳のときにソニー生命保険株式会社に転職しました。その後、41歳になった平成17年に保険代理店として独立しています。
当時のお客様はほとんどがドクターでした。生命保険を活用した税金対策に需要があったのです。しかし、保険代理店の業務だけでは解決できない相談も多く寄せられていました。
―― どのような相談があったのですか。
中川 例えば、ドクターの開業支援であったり、資産運用だったりという相談ですね。そういった相談をいただくようになったので、保険代理店業務だけではなく、周辺領域の業務にも取り組むようになって拡大してきたという経緯があります。