税理士法人チェスター代表社員 荒巻善宏氏(左)、株式会社サンセイランディック コンサルティング部部長 伊藤国俊氏

相続税基礎控除の低減による課税対象者の増加に伴い、税理士が相続時の土地の扱い方で相談を受けるケースが増えている。不動産には、底地(貸宅地)、借地権、共有など、権利が複雑に絡み合う場合が多く、そうなると相続対策も一朝一夕にはいかない。もちろん、不動産の専門家ではない税理士にそのソリューションはなく、外部専門家とのアライアンスが必須となる。そこで今回の取材では、底地(貸宅地)などの権利関係が煩雑な土地を専門に扱う不動産会社、株式会社サンセイランディック(東京都千代田区)と、資産税相続税特化型事務所としてはトップクラスの税理士法人チェスター(東京都中央区)とのアライアンスに焦点を当てた。世の中に相続事前対策の機運が高まるなか、両社はどのように相続案件の多種多様なニーズに対応しているのか。税理士法人チェスターの代表であり、株式会社サンセイランディックの社外取締役も務める荒巻善宏氏と、株式会社サンセイランディック コンサルティング部部長の伊藤国俊氏に、不動産の相続税対策とその現状についてお話を伺った。

底地や借地権に特化した株式会社サンセイランディック

―― 本日は、税理士法人チェスターの荒巻代表と、株式会社サンセイランディックの伊藤部長に、会計事務所と不動産コンサルティング会社の連携というテーマでお伺いします。
まずは、サンセイランディックのビジネスモデルについてご説明ください。

伊藤 当社は底地(貸宅地)や借主がいる古い建物など、権利関係が複雑な不動産の権利調整を専門とした会社です。ビジネスモデルとしては、個人の地主様から底地を購入し、それを借地権者様に分譲していくという事業と、老朽化して稼働率の下がったアパート、マンションなどの賃貸住宅を買い取り、入居者様には転居をお願いして更地にし、再販するという事業です。この2つを基幹事業として平成23年12月にJASDAQに上場し、26年12月には東証1部に市場を変更しました。
また最近では、空き家、空き室の有効活用といった事業にも新しく取り組み、ビジネスの幅を広げている状況です。

―― 空き家、空き室の有効活用とは、どのような事業ですか。

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