会計事務所向けの業務支援ソフト「財務維新」で知られる株式会社YKプランニング(本社:山口県防府市)から、経営者向けのクラウドサービス「bixid」(ビサイド)がリリースされた。「bixid」は会計事務所の未来会計業務で定評のある「財務維新」のクラウド版という位置づけで、中小企業の経営者が自社の経営状況を把握するための情報を提供する。簡潔に整理されたモニタリング図(変動損益図表)や月次残高レポートなどが用意されており、経営者は自社の経営状況をスマートフォンなどから容易に把握することが可能だ。さらに会計事務所と関与先を結びつける強力な会計SNS機能を備えており、会計事務所は経営支援業務を大幅に効率化することができる。今回の取材では、YKプランニング代表取締役社長の岡本辰徳氏(写真)に、「bixid」の概要や会計事務所における活用方法などについて伺った。
リリースから1年を迎えた「bixid」
―― 本日は、株式会社YKプランニングの代表取締役である岡本辰徳社長にお話を伺います。
今回は、2017年6月号で取材したクラウドサービス「bixid(ビサイド)」のさまざまなコンテンツや利用法を中心にお聞きしたいと思います。
まず、「bixid」の開発の経緯について、あらためてお話しいただけますか。
岡本 「bixid」の開発に着手したきっかけのひとつは、約3年前に株式会社電通国際情報サービス(以下、ISID)と出合い、フィンテックとクラウドについて深く学ぶ機会を得たことです。
当時、テクノロジーを使って私たちの仕事を効率化する動きが活発化し始めていました。例えば、金融機関で行った処理のデータがクラウドを通じて会計ソフトに取り込めるようになったり、会計ソフトの自動仕訳の精度が当初に比べて著しく向上したりしています。税金の申告も、電子申告により効率化が図られています。
これらのデータを、クラウドを介して金融機関や会計事務所、企業が共有して活用できれば、それぞれに大きなメリットがもたらされるでしょう。
もうひとつは、社会環境の変化に合わせて、会計事務所側の労働環境も変化していることです。