株式会社ビジネスラポール 代表取締役 心理学博士 鈴木丈織

経営コンサルティングや研修を行っている株式会社ビジネスラポール(横浜市中区)代表取締役の鈴木丈織氏は、心理学を応用した独自の経営論に基づくアドバイスにより多数の企業を成長に導いている。実務経営研究会の経営革新ドクターでもあり、弊誌の連載「Dr.ジョージの心の経営論」では、ホワイト企業を目指すためのメンタルマネジメントの極意を公開している。今回は、鈴木氏に真言宗阿闍梨となった経緯と住職としての活動、斜陽化が進む寺社の経営支援に会計事務所が取り組む際のポイントなどについて伺った。

真言宗阿闍梨としても活動

―― 前号に続き、株式会社ビジネスラポール代表取締役で心理学者の鈴木丈織先生にお話を伺います。
前回は、鈴木先生が弊誌で「Dr.ジョージの心の経営論」の連載を始めるにあたって抱かれた思いや、これからの税理士に求められる、顧問先企業経営者の「心」の支援という役割、強い心をつくるための理論などについてお話しいただきました。
経営コンサルタント、心理学博士、医学博士とさまざまな顔をお持ちの鈴木先生ですが、現在は真言宗の阿闍梨となられ、八王子高尾山光覚寺の住職としても活動されています。
今回はまず、鈴木先生が阿闍梨になられた経緯について伺います。

鈴木 簡単にいうと、強い心を維持するために必要なものは何かを追求するうちに仏教にたどり着き、60歳のときから5年間、真言密教の勉強と修行を続けた結果、阿闍梨の位を得たということです。
前回申し上げたように、もともと私は精神医学を学び、心の躍動や安定といった働きを、脳科学や行動科学などとからめて分析する実存分析を研究し、心理学を使ってさまざまな経営の指導をしてきました。それにより大きく成長した企業がある一方で、なくなってしまうところもあります。
消えた企業がなぜそうなったのかを考えると、頭では何をするべきか理解し、情報や知識を豊富に持っていても、心が揺らぐことで、それを生かせなくなったからではないかという結論に達しました。

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