司法書士法人オフィスワングループ 代表 司法書士 島田雄左
税理士法人アイユーコンサルティング 代表税理士 岩永 悠
相続税の基礎控除の低減による課税対象者の増加に伴い、相続案件とその周辺業務が急増している会計業界において、相続事前対策の手段としてにわかに注目を集めているのが、「民事信託」と「家族信託」だ。そして、これを背景に司法書士事務所と連携する会計事務所が増え始めている。そこで今回は、福岡の成長著しい若手2事務所を取材した。民事信託を使った相続生前対策を柱に急成長を遂げた司法書士法人オフィスワングループ(福岡市博多区)と、資産税特化型事務所として九州トップクラスの実績を誇る税理士法人アイユーコンサルティング(福岡市博多区)である。両社は一昨年、共同で「株式会社相続の窓口」を設立し、相続税対策から相続後の対応まで、ワンストップでサービスを提供できる体制を整えた。不動産会社、金融機関とのアライアンスも積極的に展開しており、相続・事業承継におけるこの他士業連携は、業界にイノベーションを巻き起こしている。税理士と司法書士の連携による「総合資産管理ビジネス」について、オフィスワングループ代表の島田雄左氏(写真左)と、税理士法人アイユーコンサルティング代表税理士の岩永 悠氏(同右)にお話を伺った。
民事信託で相続市場に切り込むオフィスワングループ
―― 本日は、資産税・相続マーケットにおける会計事務所と司法書士事務所のアライアンス戦略について、税理士法人アイユーコンサルティング代表の岩永先生と、司法書士法人オフィスワングループ代表の島田先生にお話を伺います。お2人とも20代で事務所を立ち上げ、素晴らしい実績をお持ちです。
まずは、島田先生からお話を伺います。オフィスワングループはホールディングスを形成されていますが、それはどういった理由からですか。
島田 当社は今年で創業6年目となります。スタッフは現在40名ほどになり、今年(平成29年)は福岡オフィス、大阪オフィス、東京オフィスで「オフィスワングループホールディングス」(本社東京)を形成しました。
ホールディングスにする理由は上場です。