ビューロ・ネットワーク税理士法人 代表社員 税理士 松川幸弘
アカウンティングビューロー株式会社 コンサルティング部部長 新井 大
ビューロ・ネットワーク税理士法人 業務統括部長 田中英明

ビューロ・ネットワーク税理士法人グループは、愛知県名古屋市に本拠を置く創業36年の会計事務所グループである。創業者でグループ代表の松川幸弘氏が、長年の経験と研究を基につくり上げた会計事務所の新ビジネスモデル「コンサル型税理士」を提唱し、顧問先の売上アップを実現するコンサルティングにより著しい成長を見せている。平成25年には、「コンサル型税理士」の導入と育成を目的とした一般社団法人csvoice協会を設立し、税理士事務所業界の価値向上に取り組んでいる。今回の取材では、「コンサル型税理士」をはじめとする同グループのさまざまな取り組みについて、松川氏と業務統括部長の田中英明氏、グループ企業のアカウンティングビューロー株式会社コンサルティング部部長の新井 大氏にお話を伺った。
(写真撮影 市川法子)

新しい価値の創出に取り組む会計事務所グループ

―― ビューロ・ネットワーク税理士法人グループは、会計事務所の新たなビジネスモデル「コンサル型税理士」を提唱し、急成長を遂げている会計事務所グループです。近年は、その顧問先の売上アップを実現するためのノウハウを、税理士業界に広める活動にも注力しています。
そこで本日は、「コンサル型税理士」の生みの親でグループ代表の松川幸弘先生と、業務統括部長の田中英明氏、そしてグループ企業のアカウンティングビューロー株式会社コンサルティング部部長の新井 大氏に、同グループのさまざまな取り組みについてお話を伺います。
はじめに、松川先生の経歴からお話しいただけますか。

松川 私は、税理士という職業に対する純粋な憧れから、税理士を目指したわけではありません。中小企業の社長だった父を見て育ち、自分も経営者になりたいと思ったことが一番の理由です。そのための手段として、税理士への道を選びました。
だからというわけではありませんが、大学在学中に税理士試験の2科目を取得したものの、卒業後はアパレル会社に就職しました。その会社は、病気により4年半で退職し、リハビリを兼ねて試験勉強を再開するという回り道をしました。
税理士試験には29歳で合格でき、その翌年には名古屋市で開業しました。もちろん、ゼロからのスタートです。以来、三十数年間 ずっと、名古屋で税理士事務所を経営しています。

―― 資格取得の翌年に顧客ゼロで開業ということは、初めはいろいろと苦労されたのではありませんか。

松川 それが、この仕事に向いていたのかすぐに軌道に乗り、開業から10年間は順風満帆でした。顧問先100件弱で、年間1億 2000万円超の売上を達成できました。従業員も10人ほどいたと思います。
ところがその後、マーケティング事業に乗り出して10年で撤退したり、税理士法改正による広告解禁の波に乗り遅れてしまい、4年連続で年間1000万円規模の売上減に見舞われたりしました。
しかし、そうしたかなりの痛みを伴う経験を糧に、顧問先の売上アップを支援する「コンサル型税理士」というビジネスモデルを確立し、事務所の経営をV字回復させることができました。

―― 逆風に見舞われた経験を生かして、見事に復活を遂げたわけですね。事務所を法人化されたのはいつごろでしょうか。

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