ミッドランド税理士法人 岡崎事務所 代表社員税理士 石川 誠
ミッドランド税理士法人 幸田事務所 公認会計士/税理士 伊奈照雄

ミッドランド税理士法人は、中部地方で活動する税理士の同盟=アライアンスで運営される会計事務所グループだ。彼らを結ぶ強固なアライアンスは、同じ志のもとに集いながらもそれぞれの持ち味を活かし、独立性を保ったうえでノウハウを共有する点に特徴がある。名古屋・豊田・岡崎・岐阜・三重という5つの拠点からなる辣腕(らつわん)集団の総勢は321名。個々の得意分野を連携させることで、大型税理士法人に匹敵する幅広いサービスを提供している。会計業界の競争も激化するなかで、彼らの取り組みは、中堅事務所が未来を生き抜く選択肢としてもこれからますます注目を浴びるだろう。
今回は、ミッドランド税理士法人 岡崎事務所(愛知県岡崎市)の石川 誠代表社員税理士と、幸田事務所の伊奈照雄氏に、現在に至る組織の変遷、アライアンスによる業務のシステムやメリットについてお話を伺った。(撮影 市川法子)

税理士を志す礎となった父親の気骨とこだわり

―― まず、ミッドランド税理士法人岡崎事務所の沿革について伺います。石川先生のお父様が創業された石川弘行税理士事務所が前身だそうですね。

石川 はい。私の父は昭和3年生まれで、令和元年に92歳で亡くなりました。もともと県庁の職員でしたが、先輩が税理士になったことから、そんな仕事があるのかと興味を持ったようです。当時の公務員には、規定の年数を勤め上げて退職すると恩給がもらえる制度がありましたが、父はその権利を得る前日に辞めたんですよ。

―― それはそれはもったいないですね。

石川 気骨があるというのか、こだわりが強いというのか。そういう人でしたから、「恩給なんかに頼っとっちゃいかん、男だったら勝負しろ」というようなことだったのかもしれません。それで退職し、昭和40年に税理士事務所を開きました。

―― お父様が開業されてから、60年近くになるのですね。その背中を見て、石川先生はいずれ自分が後を継ぐのだという気持ちを抱いたのですか。

石川 小学2年生のときに、父の仕事を継ぐのかなと思った記憶はあります。きっかけは覚えていませんが、長男でしたし、子ども心にサラリーマンになるイメージがなかったので、自然とそう考えたのでしょうね。

―― その頃に思い描いたことを実現されたのですね。

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