イワサキ経営グループ/株式会社イワサキ経営 代表取締役社長 吉川正明

2023年に創立50周年を迎え、「感謝と恩返し」をテーマに大々的に50周年記念イベントを開催したイワサキ経営グループ(静岡県沼津市)。先代の岩﨑一雄氏がゼロから立ち上げた税理士事務所は50年という時を経て、今やグループ法人9社、総勢115名という、押しも押されぬ大型コンサルティングファームへと成長した。財務・資産・相続・FP、そしてDXとあらゆる面から中小企業をサポートし、地元静岡では絶大な支持を得ている。特に、2代目となる現代表の吉川正明氏(写真)が親族外承継でグループ代表を引き継いでから10年間の成長は著しい。2013年、40周年を迎えると同時に代表に就任してクレドを定め、45周年には新社屋を建築。リブランディングも行った。そして迎えた50周年では創業者の打ち立てた経営理念を軸にミッション、ビジョン、バリューを定め、企業として本格的な組織づくりへと舵(かじ)を切った。そこで、イワサキ経営を県内屈指の一大コンサルティングファームへと成長させた株式会社イワサキ経営代表取締役社長の吉川氏に、その成長の要因と50周年で新たに打ち立てた方針、100年企業へ向けたビジョンについてお話を伺った。(写真 市川法子)

100年企業を目指して「イワサキウェイ」を制定

―― 本日は、静岡県で絶大な支持を得ているコンサルティングファーム「イワサキ経営グループ」の吉川代表にお話を伺います。
まずは、創立50周年おめでとうございます。先代である岩﨑一雄先生の個人事務所から始まり、10年前に吉川代表が引き継がれたあと、会計事務所からコンサルティンググループへと本格的に舵を切り、100人を超える規模に成長されました。そこで本日は、これまでの成長の軌跡を追いながら、その成長要因、そして今後の成長戦略についてお聞きしていきたいと思います。弊誌では過去にもご登場いただいていますが、あらためて経営理念からお聞かせください。

吉川 当グループの経営理念は、内容的には創業時に岩﨑が創り上げたものから何ら変わりはありません。ただ、この10年間で若い年代の人たちにも理解できるよう多少表現を変えたり、解説を加えるなどして分かりやすくアレンジしています。40周年のときに私が代表に就任し、45周年のときに新社屋を建て、クレドを作ってロゴマークを変えるなど、リブランディングにも取り組みました。50周年を迎えるにあたっては、経営理念を軸にミッション、ビジョン、バリューを加えて体系化しました。と同時に100年企業を目指し、「理念とクレドを結び付ける道」として「イワサキウェイ」という行動指針をつくり、式典で発表させていただきました。
ビジョンには「静岡県でナンバーワンのワンストップコンサルティングファームを作る」を掲げていますが、これにより、「会計事務所ではなくコンサルティング会社である」というイワサキ経営の位置付けを明確にしたところです。
とはいっても、脱会計事務所という意味ではありません。新しいタイプの会計事務所をイメージして、そのような立場から地域密着型コンサルティングファームとして、地域の中小企業、ひいては静岡県全体の活性化に貢献していきたいと考えています。

―― 静岡県でナンバーワンの事務所を目指しているということですが、現在は県内に何拠点あるのですか。

吉川 人が常駐している支店は沼津市に2拠点、静岡市に1拠点ですが、お客様から相談があったときだけ対応する支店として静岡市と浜松市に1拠点ずつ設けています。合わせて全5拠点ということになります。

新社屋建設でグループの成長を促進

―― 会計業界には「従業員100名、売上10億円の壁」があるとよくいわれます。イワサキ経営さんはその壁を越えられましたが、ここまで拡大成長された要因は何だと思われますか。

吉川 一番大きな要因は45周年のときに新社屋を建てたことです。昭和60年頃、岩﨑が50人規模の事務所を目指して建てた事務所が手狭になり、やむにやまれず新社屋を建てたのですが、その当時は本当に深刻な状況にありました。
セミナールームや会議室をつぶしてもまだ足りず、人ひとり増やすために、オフィスのレイアウトまで変えなければならない状態だったのです。その結果、社員には採用に対するネガティブなイメージが定着し始め、新しい人を受け入れようという空気がなくなっていきました。そのような状況から脱却するには、箱自体を大きくするしか方法はありませんでした。
そこで思い切って新社屋を建てました。現在、ここでは約100人の社員が働いていますが、スペース的にはまだまだ余裕がありますし、何より、フリーアドレスにしたことで効率化も進み、活気も出てきたと思います。

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