株式会社クラビス 代表取締役社長CEO 君島寿章
ステラリンクス税理士事務所 代表 税理士 北島智行

株式会社クラビス(東京都港区)は、AIと人を活用したクラウドの自動記帳サービス「STREAMED(ストリームド)」を運営する企業である。平成29年にマネーフォワードグループに参画し、6年で売上高が10倍以上と、飛躍的な成長を続けている。今年6月、同社は「STREAMED」ユーザー向けの新サービス「スキャンセンターfor STREAMED」をリリース。自動記帳の前段階にあたる証憑(しょうひょう)書類の回収やスキャン作業を代行し、「STREAMED」の利便性をさらに高めるという。同社代表取締役社長CEOの君島寿章氏(写真右)と、クラビスのサービスユーザーのステラリンクス税理士事務所代表の北島智行氏(同左)に、新サービスの詳細や活用例、クラビスの目指す世界観などについてお話を伺った。
(撮影 市川法子)

MFグループ参画から6年で驚異的な成長を達成

―― 本日は、株式会社クラビスの代表取締役社長CEOである君島寿章氏と、同社のサービスのユーザーであるステラリンクス税理士事務所代表の北島智行先生にお話を伺います。
クラビスは、主に会計事務所向けの自動記帳サービス「STREAMED(ストリームド)」の開発元です。弊誌では、これまでに何度か同社を取材しています。今回のインタビューでは、同社が今年リリースした新たなサービス「スキャンセンター」の話題を中心にお聞きしたいと思います。
まずは君島CEOから、クラビスの概要と自己紹介をお願いします。

君島 株式会社クラビスは、現取締役会長の菅藤(達也氏)が平成24年12月に設立し、平成29年11月にマネーフォワード(MF)グループに参画しました。クラウド記帳代行サービス「STREAMED」を開発・運営しており、ビジョンとして「働くを再構築し、価値を最大化する」を掲げています。
グループジョインした当時は従業員15名、売上高1億円ほどの規模でしたが、現在の従業員数は約70名、売上高は昨年度のIR情報において約12億円となっています。
私は、平成27年に株式会社マネーフォワードに入社し、クラビスのグループジョインを機に、取締役として出向しました。昨年、菅藤に代わって代表取締役社長に就任しました。

―― グループジョインからわずか6年で、売上高が10倍以上に伸びたわけですね。よろしければ、菅藤会長から代表取締役社長を引き継がれた経緯などをお聞かせください。

君島 菅藤は、当時クラビスだけでなく、マネーフォワードの経営陣としての業務もありました。そのため、クラビスの普段の業務はかなりの部分を任せてもらっていました。その流れで選任されたものと考えています。
菅藤とのエピソードを挙げるなら、グループジョインした当時、「3カ月後の確定申告期に売上の山をつくる」という狙いがありました。クラビスのM&Aを「成功例」にしなければならないという重責があり、そのためには直後の確定申告期が勝負どころになると考えていました。当然ながら、出向して間もない私の仕事ぶりにも目を光らせていたわけです。その確定申告時期に大きなクレームが発生し、私が手を挙げてまっさきに謝罪に行きました。後に、当時を振り返った菅藤から、「あのとき、君島が覚悟を持ってクラビスに来てくれたんだと分かった」という、うれしい言葉をかけられたことを覚えています。

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