左から小矢野氏、松浦執行役員、山田氏、古谷執行役員、小久保先生、齊藤秀行氏、岩下教平氏、刑部俊朗氏。
株式会社ビジネス・デザイン(神奈川県相模原市)は、税理士法人りんくを中核とするりんくグループにおいて、未来会計事業を展開する企業である。ビジネス・デザインは未来会計業務だけで黒字化を実現しており、事業化のモデルケースとしてこの業界を先導してきた。本稿では、りんくグループ代表の小久保 忍氏、ビジネス・デザイン執行役員の松浦輝明氏、執行役員の古谷暢一郎氏、山田正樹氏、小矢野裕美氏に、未来会計業務への取り組みについて伺った。併せて、神奈川県の5つの会計事務所で未来会計業務を展開する「みらい会計コンサルティング」の取り組みについてもお話をお聞きしている。〔写真 市川法子。本稿は株式会社日本BIGネットワークの機関誌「季刊Ja‐BIGジャーナル 未来会計」2023年夏号に掲載されたものです〕
未来会計で成長を続けるりんくグループ
―― 本日はりんくグループの小久保代表と、未来会計業務を担う株式会社ビジネス・デザインの松浦執行役員、古谷執行役員、山田氏、小矢野氏にお話を伺います。貴社には2016年にも取材をしており、今回が2回目の取材となります。
まずは小久保代表に、りんくグループの概要について伺います。
小久保 りんくグループは、税理士法人りんく、未来会計を行う株式会社ビジネス・デザイン、そして、2017年4月に設立した総合保険代理店である株式会社ビルド・バリューで構成されています。
スタッフ数は、ビジネス・デザインと税理士法人りんくを合わせて40名で、前回の取材時から10名ほど増えています。
ビジネス・デザインの社員は増えていないのですが、同社単独のお客様だけでなく、税理士法人りんくのお客様にもMAS監査サービスを提供しており、案件数は増え続けている状況です。
―― 保険代理店のビルド・バリューが急成長されていると伺っています。
小久保 はい。ビルド・バリューの現在の社員数は270名で、全国に約20の拠点があり、ビジネス・デザインが50%の出資をしています。
―― すごい規模ですね。ちなみに、ビジネス・デザインとビルド・バリューはどのような関係にあるのでしょうか。
小久保 ビジネス・デザインが行う未来会計業務は、企業のリスクを計算しながら打ち手を明確にし、整理整頓していく伴走型の仕事です。
一方のビルド・バリューは、経営のリスクをヘッジしたり、組織の体力を強化したりするための、最適な保険提案を役割としています。
つまり、ビジネス・デザインが会社のビジネスプランを考え、ビルド・バリューが経営者個人のライフプランや、リタイアメントプランを考えるような関係にあります。
―― ビジネス・デザインが未来会計を通して洗い出したリスクを、ビルド・バリューが保険提案で軽減しているのですね。
小久保 仰(おっしゃ)るとおりです。
実はビルド・バリューの事業を展開するにあたり、ビジネス・デザインの山田にMAS監査を担当してもらいました。
すると中期経営計画において、5年でスタッフを100人に増強し、主要7都市に出店するというKGIが掲げられました。
スタッフ数や店舗数を指標にしたことには理由があります。保険会社から支払われる保険手数料には、保険会社ごとに料率が設定されています。そして、販売ボリュームのある代理店ほど、この料率が上昇するのです。
料率を上げるために販売ボリュームの拡大を目指した結果、5年で売上20億円規模の会社に成長しました。
ビルド・バリューが、ビジネス・デザインによる未来会計業務の成功事例になったのです。