freee株式会社 CEO 佐々木大輔
常務執行役員・パートナープロダクトCEO 根木 公平

freee株式会社(東京都品川区)は、クラウド会計ソフト「freee会計」などの業務システムの開発企業として、会計業界ではよく知られた存在である。同社は「スモールビジネスを、世界の主役に。」というミッションを掲げており、中小企業や個人事業主の生産性を高め、ビジネスの可能性を広げるプロダクトの提供に取り組んでいる。同社が掲げる理念を支持し、プロダクトを導入しているユーザーの数は46万事業所を突破している。そんなfreeeが、これまで以上に会計事務所とのパートナーシップを強化する方針を打ち出し、会計事務所のニーズを製品開発に反映するための専門部署を新設した。本稿では、freeeのCEOの佐々木大輔氏(写真左)と、常務執行役員・パートナープロダクトCEOの根木公平氏(同右)に、同社の理念やプロダクト開発の方針、そして会計事務所とのパートナーシップについて伺った。(撮影 市川法子)

コロナ禍で変化したスモールビジネス

―― freee株式会社は、クラウド会計ソフト「freee会計」などの業務システムを開発し、スモールビジネス、つまり中小企業や個人事業主の成長と発展を支援している企業です。本日は、同社の佐々木CEOと、根木常務にお話を伺います。
佐々木CEOにお話を伺うのは2018年4月号以来となりますが、その間にコロナ禍という大きな出来事がありました。コロナ禍についてどのようにお考えですか。

佐々木 「当たり前のこと」が一挙に変化したのがコロナ禍の数年だったと思います。
「リモートで仕事をする」「オンラインバンキングを活用する」といったことは、瞬く間に常識となりました。現在ではリモートワークをしたり、オンラインバンキングを利用しないほうが、むしろ例外的な状況になったといえます。
会計業界の皆さんを取り巻く環境は、特に大きく変化したのではないでしょうか。
皆さんが支援をされているスモールビジネスの現場においては、リモートで働くことなど考えられなかったと思います。しかし、コロナ禍の影響でスモールビジネスでもリモートワークが普通に行われるようになり、働き方に大きな変化がありました。
また、金融機関にも大きな変化がありました。それまでは、わざわざ来店予約をしてから担当者を訪問しなければならないような状況でした。
しかし現在では、多くの金融機関が金融DXの推進に本腰を入れており、オンラインバンキングを普及させようとしています。金融機関がスモールビジネスのDXコンサルティングを積極的に手掛けるようになったのも印象的です。
ここ最近の大きな出来事としては、インボイス制度や電子帳簿保存法など、会計事務所やスモールビジネスへの影響が大きい法令改正への対応を求められていることが挙げられます。
会計事務所、中小企業、金融機関など、スモールビジネスを取り巻く環境が一挙に変化した3年だと考えています。

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