税理士法人大樹を母体とする大樹グループは、愛知県の名古屋市と一宮市に拠点を構える会計事務所である。同事務所は事業承継問題に悩む会計事務所に向けて、今年の4月から「業務協力(支援型)パートナーシップ」をスタートさせた。後継者不足に悩む会計事務所の選択肢といえば、事業譲渡やM&Aが挙げられるが、この取り組みではそれらとは全く異なるアプローチで問題の解決を目指すという。本稿では、大樹グループと「業務協力(支援型)パートナーシップ」を結んだみらいマネジメント榊原会計事務所(愛知県半田市)の榊原 睦所長(同左)と、大樹グループのCFOで一般社団法人中部経営会計支援協会の代表理事である村平 進氏(写真右)、大樹グループ名古屋オフィスセクションリーダーの木村康紀税理士に、今回のパートナーシップの概要について伺った。(写真 市川法子)

国税を辞めて「喜ばれる仕事」をするために開業

―― 大樹グループは税務にとどまらず、経営計画策定支援、医業経営支援、助成金支援、労務管理支援、M&A・事業承継支援など、多角的な中小企業支援サービスを展開している会計事務所です。
そんな同事務所が、事業承継問題に悩む会計事務所に向けて、「業務協力(支援型)パートナーシップ」という取り組みをスタートさせたということで、詳しくお話を伺いたいと思います。
本日は、大樹グループと「業務協力(支援型)パートナーシップ」を結んでいるみらいマネジメント榊原会計事務所の榊原所長と、大樹グループの村平CFO、税理士の木村先生にご同席いただいています。
まずは榊原先生に、これまでの歩みについて伺います。

榊原 みらいマネジメント榊原会計事務所の榊原と申します。私は国税庁の職員として23年働いた後に税理士として開業しました。今年の8月で税理士としては21年となります。
私の親族は公務員が多かったこともあり、そのなかでも「税務職はどうだ?」と勧められるままに税務職員の試験を受けました。当時は特に深く考えておらず、税務職員になってたまたま就職した先が国税庁だったというイメージです。

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