会計業界には、圧倒的な存在感を放つ事務所があります。創意工夫により事業を発展させ、抜きんでた業績を上げているだけでなく、その経営思想は他の会計事務所にも大きな影響を与えています。本稿では、業務ソフトウエア「会計王シリーズ」で知られるソリマチ株式会社の代表取締役であると同時に、税理士法人ソリマチ会計の代表社員でもある反町秀樹氏(写真中央)が、会計人の視点から、そんな有名事務所の本質に迫ります。最終回となる第20回は、愛知県名古屋市の名南コンサルティングネットワークと、大阪府豊中市の日本経営グループを取材しました。税理士法人名南経営理事長の安藤教嗣氏(写真左)と、日本経営ウィル税理士法人統括代表社員の東 圭一氏(写真右)に、100年事務所実現に向けた組織づくりをテーマにお話を伺いました。(写真撮影 市川法子)

日本を代表する二大会計事務所グループ

反町 「100年続く経営を体現している会計事務所のトップに経営の極意を伺うことで、継続事務所を目指すためのヒントを得よう」という趣旨で平成24年にスタートした「会計業界未来探訪」シリーズも、今回で20回目を迎えました。これもひとえに、快くインタビューに応じてくださった各事務所のトップの方々と、読者の皆様のおかげです。
コロナ禍で2年ほど間が空きましたが、本シリーズは今回が最終回となります。そこで本日は、掉尾を飾るにふさわしいゲストとして、日本の会計業界を牽引するトップ事務所代表のお二方をお招きしました。愛知県名古屋市の税理士法人名南経営の理事長である安藤教嗣先生と、大阪府豊中市の日本経営ウィル税理士法人の統括代表社員である東 圭一先生です。
いずれも昭和40年代前半に創業された老舗会計事務所であり、各種士業法人や経営コンサルティング会社などで構成され、全国に拠点を展開する巨大士業グループの中軸をなす税理士法人です。創業者の同族ではなく、生え抜きの幹部社員が事務所を承継している点も共通しています。
今回はまず、それぞれのグループの概要と経営理念、企業文化や風土などについてお聞きします。続いて、「100年事務所の実現方法」をテーマに語り合っていただく形で、お話を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。

安藤・東 こちらこそ、よろしくお願いします。

顧客ニーズに応え続けることで巨大グループに成長

反町 はじめに安藤先生から、名南コンサルティングネットワークの概要について紹介していただけますか。

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