左から日本M&Aセンター 奥野秀夫氏、京都大学経営管理大学院 澤邉紀生氏、日本M&Aセンター 金子義典氏

京都大学大学院(京都府京都市)が、税理士や公認会計士を対象に経営支援の専門家を育成する上級経営会計専門家(EMBA)プログラムを実施している。「中小企業等の経営を支援する会計専門家養成教育プログラムの開発・実証事業」という文部科学省委託事業としての取り組みだが、これによって、将来的には会計業界に上級経営会計士を頂点とする経営会計士のピラミッド体制を作り上げ、多くの有能な人材を業界に呼び込む狙いだ。経営会計専門家とは、経営目標達成のための財務支援コンサルタント、いわゆるMAS監査の専門家ともいえるもので、この事業には複数の名だたる大学も賛同しているほか、企画推進委員会として、あんしん経営の会、一般社団法人コンサル技連、株式会社日本M&Aセンター、株式会社日本BIGネットワーク、株式会社MAP経営、日本M&A協会が参加している。上級経営会計専門家プログラム、および経営会計士構想の考え方、仕組み、そして今後の展開について、京都大学大学院教授で同プロジェクト統括責任者の澤邉紀生教授、株式会社日本M&Aセンター執行役員の奥野秀夫氏、同コンサルタント戦略営業部部長の金子義典氏にお話を伺った。

日本の企業は会計的な経営力が弱い

―― 本日は、上級経営会計専門家(以下EMBA)プログラムの中間報告発表が行われるなか、その統括責任者である京都大学の澤邉先生と、株式会社日本M&Aセンターの奥野執行役員、金子部長にお越しいただき、同プログラムの概要、および今後の運営方針などについてお伺いします。まずは、澤邉先生のご経歴から伺います。

澤邉 私の名前は紀州に生まれると書いて紀生です。和歌山県田辺市という、かなりの田舎で生まれ育ちました。高校時代、国際交換留学でスペイン、オーストラリアに行かせていただき、オーストラリアの高校を卒業しました。日本の高校は卒業せず、その資格で共通一次試験を受け、京都大学に入りました。高校2年で大学に入ったわけです。当時はちょっとしたニュースにもなりました。

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