設立からわずか7年で、全国に130人の弁護士と22の支店を擁する総合法律事務所へと急成長を遂げたベリーベスト法律事務所(東京都港区)。月額顧問料3980円(法人向け)という破格の顧問弁護士サービスで、法務業界にイノベーションを巻き起こした若手ベンチャー企業である。このローコストで高品質なサービスを生み出したのが、専門家チームによる分業体制とシステムネットワークによる情報の共有化、さらにはウェブを駆使したマーケティング戦略による画期的なビジネスモデルだ。現在、異業種士業の連携の必要性を訴え、支店ごとに地域の税理士・会計士との連携を推進している。「全国津々浦々に、専門性の高い高品質の法律サービスを提供したい」という同事務所代表弁護士の浅野健太郎氏に、ベリーベスト法律事務所の成長戦略についてお話を伺った。

ベリーベスト法律事務所誕生の経緯

―― ベリーベスト法律事務所は、溢れるベンチャースピリットで弁護士・法務業界に変革をもたらしています。本日は、その革新的なビジネスモデルと、会計事務所との連携による今後の展開について、浅野代表にお聞きしたいと思います。まずは、事務所設立の経緯からお話しください。

浅野 ベリーベスト法律事務所は、2010年12月に設立した弁護士法人です。さかのぼりますと、無料法律相談や法律事務所の検索サービスを提供する法律ポータルサイト「弁護士ドットコム」の立ち上げに端を発しています。
2005年に当事務所の代表である酒井将と、現参議院議員である 元榮太一郎弁護士が「弁護士ドットコム」を設立しました。これをきっかけに翌年、両者は共同で法律事務所オーセンスを開設しました。私自身はこの新事務所設立から事業に参画したのですが、法律事務所オーセンスから発展的分割によって誕生したのが、ベリーベスト法律事務所ということになります。

―― なぜ、事務所組織を分割されたのでしょうか。

浅野 別に不和が生じたわけではありません。実は、元榮、酒井、私の3人は大学のゼミが一緒で、共に司法試験の勉強をした仲なのです。つまり、オーセンスは、気心が知れた仲間でつくった事務所だということです。

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