税理士法人JNEXT(東京都豊島区)は創業以来、中小・零細企業の経営支援を軸に事業を展開している。代表社員の荻野岳雄氏(写真左)は国税局を退官後、25歳で開業し、経営コンサルタントとして数々の企業再建に携わってきたエキスパートである。平成26年に事務所を法人化し、現在は税理士法人を中心に7法人からなるJNEXTグループを形成している。近年は、クライアント企業の経営支援の一環としてDX化推進やMAS監査にも注力している。そこで、今回の取材では荻野氏と、税理士法人JNEXT経営企画室の茅山伸平氏(写真右)に、中小・零細企業支援のさらなる強化に向けたMAS監査の取り組みについて伺った。〔写真 工藤裕之。本稿は株式会社日本BIGネットワークの機関誌「季刊Ja-BIGジャーナル 未来会計」2023年冬号に掲載されたものです〕

経営コンサルタントとして多くの企業を再建

―― 本日は、JNEXTグループの税理士法人JNEXT代表社員の荻野岳雄先生と、同社経営企画室の茅山伸平氏にお話を伺います。
JNEXTグループは、税理士法人と社会保険労務士法人、経営コンサルティングを行う株式会社JNEXTコンサルティングなど7法人で構成され、中小・零細企業の経営支援を軸に事業を展開しています。近年は、その取り組みをさらに強化すべく、未来会計・MAS監査サービスを導入し、Ja-BIGネットワークの会員としても活動されています。
はじめに、荻野先生のこれまでの歩みを振り返っていただけますか。

荻野 私がこの道に入ったそもそものきっかけは、大学進学のために浪人しているとき、友人の影響で税理士という職業を知ったことです。それで進路を商・経済学部に変更し、大学在学中は簿記学校に通いながら税理士試験を受け、2科目取得しました。
一方で、運よく国税専門官の採用試験にも合格したので、卒業後は国税局に入りました。しかし、税理士への想いを捨てきれず、3年で退官して25歳で開業しました。
―― 国税庁勤務を経て、25歳で開業とは驚異的なスピードです。念願の税理士になったときのご感想はいかがでしたか。

荻野 正直に言って、帳票整理から入力といった単調な作業はすぐに嫌だと思いましたし、このような仕事を一生続ける気にもなりませんでした。それよりもずっと楽しかったのは、顧問先の社長さんの相談に乗ることでした。
といっても、経営のことなど全く知りませんから、大して有用なアドバイスができたわけではありません。そこで、中小企業診断士の資格を取得しました。その後、あるコンサルティングファームで3年間、実務経験を積ませていただきました。

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