アローズ税理士法人 代表社員 税理士 荒生利男
代表社員 税理士 吉村和浩

アローズ税理士法人(本店:東京都新宿区)は、東京と静岡県熱海市の2拠点体制で、相続・事業承継対策に強みを持つ会計事務所である。創業者で代表社員の荒生利男氏(写真右)は、昭和60年の開業当初から中小企業の相続支援に注力し、さらに中小企業と会計事務所の後継者不在問題にも着目。業界でいち早くM&A仲介ビジネスに取り組んできた。昨年、10年近い時間をかけて選んだ後継者として、Nextstage税理士事務所の吉村和浩氏(写真左)が代表社員に就任。そこで、今回の後継者探しから合併に至るまでの経緯、会計事務所の事業承継のポイント、今後の展望などについて、両氏に伺った。(写真 市川法子)

開業当初から中小企業の相続・事業承継対策に注力

―― アローズ税理士法人は、東京・新宿と静岡県熱海市の2拠点で中小企業支援事業を展開する会計事務所です。なかでも相続・事業承継対策に強みを持ち、業界でも最初期からM&Aビジネスに取り組んでこられました。
先頃、創業者で代表税理士の荒生利男先生の後継者として、新たに吉村和浩先生が代表税理士に就任されました。そこで本日は、後継者探しからスタートされたという会計事務所の事業承継のポイントについて、お二人に伺いたいと思います。
まずは、アローズ税理士法人の概要と沿革について、荒生先生から簡単に紹介していただけますか。

荒生 現在の職員数は、新宿本店が8名、熱海支店が6名で、合計14名です。そのうち、税理士が3名、行政書士が1名所属しています。税理士法人のほかに、グループ会社としてアローズ会計株式会社、アローズM&Aセンター株式会社、一般社団法人かけはしがあり、この4法人で中小企業支援に取り組んでいます。
特徴としては、今ご紹介いただいたとおり、開業当初から相続問題に取り組み、続いて事業承継対策も業務としてきました。外部の士業とも提携し、遺言信託業務、遺産整理業務を含めた相続全般の業務を請け負うとともに、あらゆるご相談にワンストップで対応しています。
創業は昭和60年です。顧問先ゼロからの独立開業でしたが、開業後間もなく、病に伏していた、知り合いの税理士先生のお手伝いを始めました。ところが、その先生が急逝されたため、数十件のお客様をお引き受けすることになりました。
まだスタッフもいなかったので、入力作業から全て自分でやらなければなりません。毎晩1時、2時まで残業という日々が続きました。
事務所経営が軌道に乗り始めたのは、この過酷な状況を乗り切ってからです。その後、自宅にしていたマンションを事務所専用にし、自分たちはアパートに引っ越しました。そのような経験もあり、相続にフォーカスした会計事務所経営というものを考えるようになりました。

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