税理士法人松本代表の松本崇宏先生

税理士法人松本(東京都渋谷区)は、水商売や風俗産業、いわゆるナイトマーケット系に特化し、創業わずか15年で年間売上15億円、スタッフ200名弱、6拠点の規模に発展した中規模会計事務所である。発展の鍵はライバルの少ない業種に特化した  ブルーオーシャン戦略にあるが、コロナ禍を経た現在ではこの戦略を離れて発展を続けており、超大型会計事務所グループへの道を歩んでいる。本稿では、税理士法人松本の代表で、税理士・行政書士の松本崇宏氏(写真)に、圧倒的な成長を続ける会計事務所の経営戦略について伺った。(写真撮影 市川法子。事務所のコーポレートカラーでもあるオレンジは、情熱とポジティブさを象徴する色)

スタッフ200名弱、全国6拠点の中規模会計事務所

―― 本日は、顧客拡大戦略として風俗産業に特化している、会計業界でも希少な会計事務所である税理士法人松本の松本崇宏代表にお話を伺います。松本先生には令和元年にも一度インタビューさせていただいています。その当時で既に開業12年目にして4拠点、従業員約80名の規模でした。この4年間でどれほど成長されたのか、まずは現在の規模から伺います。

松本 グループとしては現在、税理士法人、社労士法人のほかに生命保険の代理店、不動産所有会社などがあり、パートやインターンの人も含めて全体で180人弱といったところです。おそらく年内には200人規模に達すると見込んでいます。
拠点は、本店を新宿から渋谷に移しまして、都内3カ所(渋谷、新宿、錦糸町)と、昨年末、新たに出した千葉県柏市、それから横浜、大阪の計6拠点になっています。全てプロパーで拠点展開しています。

―― 新天地での支店展開は、うまく立ち上がるか不安もあると思いますがいかがですか。

松本 確かにそういった不安はありますね。本来なら拠点はひとつのほうが経営者の目も全体に行き届きますし、文化形成もしやすいのでよいのかもしれません。しかし一方でポストが増えにくいというデメリットもあります。そうなると若い人の活躍の場が生まれず、社内全体に閉塞感が漂ってきてしまいます。そういう状況を避けるためにも拠点を増やしています。

―― 拡大を目指すためだけに拠点展開をしているわけではなく、社員のモチベーションアップを図ろうという意図もあるのですね。

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