公益財団法人21あおもり産業総合支援センター
青森県事業引継ぎ支援センター 総括責任者
株式会社若山経営 代表取締役社長
若山 恵佐雄
創業以来、三十数年にわたり事業承継計画の作成・支援、中小企業の事業売買支援など、中小企業の事業継続と雇用維持をサポートしてきた株式会社若山経営(青森県青森市)。昨年6月には、Ja-BIG(日本BIGネットワーク)のメンバー会計事務所や商工会等による事業承継支援ネットワーク「東北連携地域プラットフォーム」を立ち上げ、その翌月には、経済産業省からの依頼で、中小企業のM&Aを促進するための支援機関「青森県事業引継ぎ支援センター」の運営も担うことになった。共に、M&Aのマッチングを主たる業務とする。後継者不在などで事業の引き継ぎを検討する中小企業・小規模企業が増えるなか、その有効な手段として注目を集めているM&A。これを突破口として、日本の中小企業の減少を食い止めようとする動きが、官民問わず広がり始めている。今回の取材では、株式会社若山経営の社長であり、青森県引継ぎ支援センター統括責任者である若山恵佐雄氏(写真)に、その活動内容や、少子高齢化の時代における中小企業の危機的状況、会計事務所が担うべき役割について伺った。
中小企業の事業承継問題に官民が協力して対応
―― 若山先生は昨年、経済産業省からの依頼を受け、地域の中小企業に向けた支援機関「青森県事業引継ぎ支援センター」の運営を担うことになったそうですが、こちらはどういった活動をされているのでしょうか。
若山 「青森県事業引継ぎ支援センター」では、青森県内の中小企業者、小規模事業者の事業の継続や承継、譲り渡し、譲り受け等に関して、適切な助言、情報提供およびマッチング支援を行っています。国の認定支援機関として、中小企業の事業支援を行っている「公益財団法人 21あおもり産業総合支援センター」内に、平成27年7月1日から新たに設置されました。
―― 今、「2020年問題」がクローズアップされています。中小企業経営者の平均引退年齢は67・7歳ですが、その経営者の多くを占める団塊の世代が2020年に67~70歳になり、中小企業経営者のリタイアが一斉に始まるといわれています。国もこの現状を深刻に受け止めているということでしょうか。