―― ここからは、ご自身の個人事務所を税理士法人スバル合同会計と経営統合された、永井洋子先生(写真左)にお話を伺います。この経営統合では、微力ながら弊社が仲介役としてお手伝いさせていただきました。
永井先生は、もともと東京・神田で個人事務所(永井洋子税理士事務所)を開業されていました。一昨年、スバル合同会計との経営統合によりスタッフともども新社屋に移ってこられ、現在は同社の所属税理士として活躍されています。
はじめに、永井先生が経営統合という道を選択された理由からお聞かせください。

永井 当時、私は年齢的なこともあり、自分の引退について考え始めていました。一方で、スタッフのことを考えると、自分の都合で勝手に引退するわけにもいきません。最初は漠然と、後継者を育てなければと思っていました。
しかし、1年や2年程度の期間で後継者を育成できるものではありません。10年くらいは見ておかなければ、満足のいく事業承継はできないだろうと思いました。そして、自分の年齢と相談して、「それは無理ではないか」と悟ったのです。
そこで、以前から懇意にしていた株式会社実務経営サービスさんにご相談し、スバル合同会計を紹介していただいたという経緯になります。

―― 経営統合されて丸1年が過ぎましたが、ここまでを振り返っていかがでしょうか。

永井 正直に申し上げて、最初は大変でした。以前は、目の前に座っているスタッフが全てという小さな事務所だったので、何でもすぐに相談したり、即断即決したりすることができました。
ところが、ここ東京本部には100人もの社員さんがいますから、そうはいきません。100人全員に周知しなければならないため、まったく勝手が違います。
当然ながら、IT活用が不可欠になるのですが、年寄りはこれが苦手でございまして、そこをクリアするのに一番しんどい思いをいたしました。

―― スバル合同会計が行うM&Aでは、先ほど垣本先生が仰っていたとおり、基本的に各事務所の独立性を保つ形で、従来の運営形態を継続しています。
そうした地方事務所とは違い、永井先生の事務所は都内で開業されていたので、東京本部のビルに入る形を採られました。通常の統合パターンとは異なることから、環境の変化に対応するのに時間を要したのではないかと拝察しますが、いかがでしょう。

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