株式会社クラビス代表取締役・CEOの菅藤達也氏(左)と、株式会社マネーフォワード代表取締役社長・CEOの辻 庸介氏(右)

昨年11月に発表された、株式会社マネーフォワードによる株式会社クラビスのグループ会社化が大きな注目を集めている。クラビスのクラウド記帳サービス「STREAMED(ストリームド)」と連携することで、マネーフォワードは自社のクラウドサービス「MFクラウドシリーズ」においてデジタル、アナログ双方のデータの自動記帳に対応し、記帳業務の完全自動化に大きく近づくからだ。2社の経営統合は、会計業界にとって新たなマーケット創出のきっかけにもなり得る。マネーフォワード代表取締役社長CEOの辻庸介氏、クラビス代表取締役・CEOの菅藤達也氏に、今回の経営統合の経緯や今後の成長戦略などを伺った。

記帳業務の完全自動化に向けた経営統合

―― 本日は、株式会社マネーフォワードの代表取締役CEOである辻庸介社長、株式会社クラビスの代表取締役である菅藤達也CEOにお話を伺います。
昨年11月、マネーフォワードによるクラビスの全株式の取得とグループ会社化が発表されました。いずれも2012年に設立された若い2社の経営統合は、会計業界でも大きな注目を集めています。
クラビスは、クラウド記帳サービス「STREAMED」を提供しています。領収書や請求書など紙の証憑をスキャンして、専用のソフトウエアでアップロードすると、1営業日以内に99・9%の精度で仕訳データが生成・返送されます。
記帳業務の大幅な効率化を実現するツールとして、既に300以上の会計事務所で導入されています。
マネーフォワードは個人向け自動家計簿・資産管理サービス「マネーフォワード」、ビジネス向けクラウドサービス「MFクラウドシリーズ」を柱に、ITにより企業の業務効率化を支援する多様なサービスラインアップを展開しています。
現在、7つのサービスで構成される「MFクラウドシリーズ」を利用する会計事務所は2400を超えています。昨年9月には東証マザーズへの上場も果たしました。
この2社がタッグを組むことで、どのような相乗効果がもたらされるか、大きな期待が寄せられています。
まず菅藤CEOに伺います。前回(2017年8月号)の取材でもお聞きしましたが、「STREAMED」を開発された経緯について、あらためて紹介していただけますか。

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