兵庫県尼崎市を中心に、地域密着型の会計サポートを行うK&P税理士法人。グループ企業に経営コンサルティング会社と社会保険労務士法人を擁し、他の専門機関とも提携してワンストップ対応の経営支援サービスを展開している。近年はクラウド会計導入支援に注力するほか、人手不足の中小規模企業に対しては経理業務のアウトソーシングにも積極的に取り組んでいる。グループ代表の香川晋平氏は二代目。父親である先代から事務所を引き継ぎ、きめ細かなサービスと多彩な戦略で、9年で3倍の規模まで拡大。将来的にはBIGファーム入りも視野に入れているという。本稿では、同法人の拡大戦略、特に経営コンサルティングとマーケティング戦略について、香川代表と社員税理士の定本 学氏にお話を伺った。(撮影 工藤裕之)
経営コンサルティングを主軸に顧客をサポート
―― 本日は、兵庫県尼崎市を拠点に急成長されているK&Pグループ代表の香川晋平先生と、社員税理士の定本 学先生にお話を伺います。
香川先生は二代目とのことですが、まずは、創業からの足跡についてお聞かせください。
香川 私の父が、1975年に兵庫県伊丹市の自宅で香川会計事務所を開いたのが始まりです。尼崎信用金庫とのタイアップで経営者を対象としたセミナーを開催し、それを足掛かりに顧問先を増やしていったと聞いています。その後、尼崎市にある尼崎信用金庫所有のビルへ移転し、尼崎市を拠点に事業を展開してきました。
私は2005年に入所してから、父のもとで約9年経験を積み、2014年に事業を承継しました。
―― 1970年代から金融機関とタイアップして経営者向けセミナーを開かれていたとは、先代は先進的な考えをお持ちだったのですね。開業当初から経営コンサルティングを中心に事務所を運営されていたのですか。
香川 そうです。父は、実は今年(2022年)亡くなったのですが、「明日の経営を共に考える」というスローガンを掲げ、名刺にも記載して大事にしていました。本当にしたいことは、税金の計算より経営サポートだったようです。セミナーでも経営計画の立て方などをテーマにしていました。