三代目に事業承継をした老舗会計事務所の成長戦略 限りなく完璧に近いサービスの提供にこだわる 税理士法人無十の展望を訊く

税理士法人無十　代表社員税理士　理事長　光石雅人
代表社員税理士　会長　武藤　剛

税理士法人無十（東京都大田区）は、50年近い歴史を持つ老舗会計事務所である。税務会計支援だけでなく、事業承継に関するM&A、組織再編・再生など、幅広いサービスを提供している。11年前にはベトナム法人も設立し、日本企業のベトナム進出支援に取り組んできた。同社は昨年（令和3年）、2代目代表の武藤剛氏（写真左）から、JALの元パイロットという異色の経歴を持つ光石雅人氏（同右）へのバトンタッチを行い、1年かけて事業承継を進めてきた。3代目の代表を継いだ光石氏は、初代からの経営理念に基づき少しでも多くの中小企業の発展に貢献すべく、適材適所のサービス展開を進めるという。光石氏と武藤氏のお二人に、事業承継の経緯と今後の成長戦略について伺った（写真撮影 市川法子）。

99.99％の完璧を目指す老舗会計事務所

――　税理士法人無十は、令和４年９月に創業48周年を迎えた老舗会計事務所です。本社を構える東京都大田区を中心に、都内および神奈川エリアをカバーしています。国内だけでなく海外進出する企業の支援にも注力しており、平成23年にはベトナムに拠点を設けて、グローバル展開を進めています。
同社では昨年（令和３年）、事務所のトップの交代が行われました。そこで本日は、創業者のご子息で２代目の武藤 剛先生と、３代目を継がれた光石雅人先生に、このたびの承継のお話を中心に伺いたいと思います。
まずは、珍しい社名である「無十（むとう）」についてお聞きします。その読み方から、武藤先生の名字に由来するものだと思いますが、この漢字を当てた理由は何でしょうか。