みそら税理士法人の公認会計士・税理士の廣岡隆成先生(写真)は、帰郷して父の税理士事務所に入所。「スタッフがいちばんの財産。」などの4つの価値観を軸に、事務所を拡大しています。

―― 廣岡先生のご経歴を伺います。

廣岡 税理士である父の影響で、23歳で公認会計士試験に合格しました。東京で約15年間、監査法人、外資系コンサルティングファーム、ファンドで勤務した後、7年前に地元に戻って父が経営する廣岡会計事務所に入りました。

―― 地元を離れ、都内で就職されていたのですね。

廣岡 当初は大阪で就職活動をしていましたが、全然だめでした。就職氷河期で、他の合格者もかなり苦戦していたようです。会計士試験に合格したのに働く先がないなんて当時の私には思いもよらないことでした。資格を取るだけでは意味がないことを身をもって経験し、3カ月間無職で過ごしたところ、受験仲間だった友人から東京でトーマツの求人が新聞に出ているという情報を得て、そこで運よく拾ってもらうことができました。会計士としてスタートラインに立たせていただいたトーマツには本当に感謝しています。

―― そのようなご苦労があったのですね。帰郷してお父様の事務所に入られたきっかけは何でしょうか。

廣岡 父のスタッフの存在です。当時、父の事務所で働く5名のスタッフの年齢は、60代の父よりもかなり若く、最年長でも40代、なかには20代の人もいました。
それを知ったとき、「この人たちよりも早く引退する父はその後、この人たちの人生をどうやって見るのだろう」という思いがよぎったのです。私には職探しで苦労した経験があるので、この事態を人ごととは思えず、そこから父の事務所のことを意識するようになりました。

―― 事務所名を「みそら」に改名されたのですね。

廣岡 社内公募で決定しました。「みそら」には、事務所はみんなで創っていくものという価値観がありますので、当然「個人名」を事務所名から外しました。

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