株式会社IGブレーン(長崎県長崎市)は、IG会計グループに属するコンサルティング会社である。MAS監査サービスを中核とする財務・会計コンサルティングを行っており、顧問先は500社以上、「将軍の日」に参加した赤字企業の92%を黒字に導いてきた。本稿では、IGブレーン代表取締役の野口雄介氏(次ページ写真右)と、取締役であり、福岡営業所の所長を務める山本要輔氏(同左)に、MAS監査業務の事業化のポイント、MAS監査担当者を育成するためのヒント、アフターコロナに向けた新しいMAS監査サービスのあり方などについて訊いた。(写真 関 征士。本稿は株式会社日本BIGネットワークの機関誌「Ja-BIGジャーナル」夏号(2022年7月25日発行)に掲載されたものです)
MAS監査に取り組むためにIG会計グループへ
―― 株式会社IGブレーンの野口社長と山本取締役にお話を伺います。IGブレーンへの取材は、2019年冬号以来となります。ちなみにお二人は、入社前から知り合いだったそうですね。
野口 私は大学を卒業後、すぐに就職せずに地元の長崎に帰ってきました。
当時、有限会社IGブレーンの代表取締役だった父(編集部注:現会長の野口俊之)に、「せめて簿記の勉強でもしなさい」と言われ、私は専門学校に通うことにしました。すると、全くの偶然ですが、そこに山本がいたのです。
山本 大学生の頃、私は学生の間で人気が高かった公務員を目指していて、国税専門官に合格することができました。
ただ、国税専門官は本当に目指していた職業ではなかったので、悩んだ末に辞退し、私はそのまま2005年3月に大学を卒業しました。
学生時代から公務員試験の勉強をするために通っていた専門学校は、公認会計士や税理士になるためのコースを併設していました。私はその専門学校でアルバイトとして働かせてもらいながら、公認会計士を目指すことに決めたのです。そして、その学校に受講相談に来たのが野口でした。