青山公認会計士事務所 所長 公認会計士・税理士 青山恒夫

青山公認会計士事務所(東京都荒川区)は、中小企業の管理会計支援で知られる会計事務所である。平成9年に開業し、近年は管理会計とExcelを活用した独自の手法で多くの会計事務所から注目されている。所長の青山恒夫氏は、平成28年に「管理会計を起点とする経営支援研究会」を発足させた。この研究会は主に会計事務所を対象に、Excelの実践的な活用法を含めた管理会計の知見を提供している。今回の取材では青山氏に、会計事務所が管理会計とExcelなどのデータ分析可視化ツールをいかに活用して顧問先を支援すればよいか、お話を伺った。(写真撮影 市川法子)

不確実性の時代の管理会計とは

―― はじめに、2年以上にわたるコロナ禍のなかで、どのような変化を感じているかお聞かせください。

青山 コロナ禍が続くなかで変化したということでは次の2つが挙げられると考えます。ひとつは人の移動が制限されたことで交通機関、飲食店、オフィス需要、衣料品販売などの事業者が大きな打撃を受けたことです。これは周知の事実ですが、私の顧問先でもタクシー会社や外国からの留学生に頼っていた専門学校などは大きく業績が悪化しました。
こうした事実から考えると、今後コロナ禍が全くなくなるとは考えにくいため、どんな影響がどの分野に及んでいくのかを、現在進行中のロシアのウクライナ侵攻や中国上海でのロックダウンと併せて顧問先の経営者と一緒に考えてみる必要があると感じています。
そして、もうひとつはコロナ禍でテレワークが推奨されましたが、顧問先ではテレワークに対応できる事業者と対応できない事業者に分かれました。テレワークに対応できる事業者は業種の特徴を除けば、もともとITに対応でき、業務処理の流れも整備され、業務が属人的にならず、日々の業務が整然と行われていた事業者が多いような感じがしています。

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